48 / 枯れたモノ ページ4
side A
頑張ってた。
頑張ってたんだ。
潤ちゃんは、頑張ってた。
立て続けにあった音楽番組と
レギュラー番組の収録で
1人のときが多くても
彼は文句なんて言わずに、
ただ泣くだけで
俺らが抱き締めれば、落ち着いてくれた。
彼は、頑張ってた。
それに甘えたのは、俺らだ。
潤「……おれ、…いい」
「…え？」
潤「あるけなくて、いい」
クリスマスも年末年始も、慌ただしく過ぎ
目まぐるしい中、1月も半ば。
外に出ると、体を無意識に縮こまらせる季節になった。
潤ちゃんは話すスピードも普通になってきて
先生から、歩くリハビリを開始しようと言われた。
俺らが喜ぶ中
俯いたまま、顔を上げない潤ちゃんに
「どうした？」と尋ねると
そんな返事が返ってきた。
翔「え…潤、どうして？」
智「リハビリ、いっぱい頑張ってたじゃん？」
和也「…潤くん？」
予想外のことに、戸惑いながらみんなで声をかける。
ニノでさえ戸惑っていて
優しく名前を呼び、頭を撫でようとした時
フッと、潤ちゃんがニノの手を避けた。
潤「……もう、いいの。
おれ、だいじょうぶ。
みんな、しごとでしょ？がんばってね」
おかしい、と
その言葉で思った。
今朝、今日はみんなオフだと伝えたから。
「潤ちゃん、俺ら今日休みだよ？」
潤「ううん、ちがう…、しごと…いってっ、」
翔「潤？俺ら休みだから。一緒に居れるよ？」
潤「ううんっ、いない…っ、
もっ、いい…、 やだっ…、
よくなんなくて、いい…っ」
“ 良くならなくていい ”
この言葉で、リーダーがキレた。
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年6月27日 16時
