木漏れ日より、愛を込めて -2- (ページ29)

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side A

「眠いの？」

潤「んーん、きもちぃ…」

フワリと運ばれてきた風が、彼の髪をなびかせる。

それをくすぐったそうに目を顰める、それだけでも
彼が生きている証になる。

でも、

横顔が、1ヶ月間眠ったままだった時の寝顔と同じで
嬉しいのに、どこか哀しくなった。

カシャ、と

ビデオは止めないまま、
もう片方の手で携帯を手に持ち、

携帯で彼の横顔を写した。

潤「ふふ、写真も撮るの？」

「いいじゃん、記念だよ」

和也「送ってねそれ」

「もちろん」

潤「なんかはずかしい」

「今更だね( 笑 )」

和也「もう結構シェアしてるよ潤くんの写真」

潤「うそ！」

和也「ほんと( 笑 )
潤くんが気付いてないだけ( 笑 )」

潤「なーにそれ～」

そんなことを言いながらも、
違うところで景色を見たい、という彼に合わせて

ウロウロと屋上を動いていると

クシュン、と可愛いクシャミが響いた。

和也「わ、潤くん寒い？」

潤「さむくはないよ？」

「体が冷えてきてるのかな」

和也「今日はもう戻ろうか、30分は居たからね」

潤「あした？」

「うん、晴れてたらね」

潤「はれるかなぁ」

和也「ふふ、てるてる坊主に頼んでみな」

なるべく温かくなるように、と
首元まで上着のファスナーを上げるニノをよそに

潤ちゃんは空を眺めてた。

「はい行くよ～」というニノの掛け声に
「はーい」とちゃんと返事をする潤ちゃんは

やっぱり可愛い、と微笑ましかった。