木漏れ日より、愛を込めて -2- (ページ13)

今日:41 hit、昨日:99 hit、合計:298,425 hit

57 / 不安の芽ページ13

side N

平行棒の間に車椅子ごと入り
座ったまま手を伸ばして平行棒を掴む。

その状態から、
体を持ち上げられるかどうか。

チラリと
不安げに俺らを見る潤くん。

その様子を見て、翔ちゃんが潤くんに近寄った。

翔「潤？おまえなら大丈夫」

平行棒の片方をくぐり
潤くんの前でしゃがんで、

さっきの相葉くんみたいに、
額に額を付けて
その至近距離で瞳を見つめて、潤くんに伝える。

潤くんは繰り返すように、
「ん、だいじょうぶ…」と自分に言い聞かせてた。

翔ちゃんが離れてから

もう一度平行棒を掴み、
グッ、と力を入れる潤くん。

腕はブルブルと震える。

俯くようにして必死に力を入れ、
なんとか体を持ち上げようとする。

智「…っ、浮いたっ」

一瞬だけ
ほんの少しだけ、

潤くんのおしりが浮いた。

口をついて出たようにリーダーが口にする。

ユウ「潤くんすごいよ、上出来！」

潤「でも、ちょっとだけ…」

ユウ「ううん、何ヶ月も動かしてなかったのに、すぐに持ち上げられるのは凄いよ？
みんな持ち上がらないもん。

すごいね、さすが嵐だね」

潤「あらし…、んふふ、」

雅紀「なーにニヤケてんの( 笑 )」

さすが嵐、と言われて嬉しそうな潤くんを
そうからかいながらも、優しく微笑んで撫でてやる相葉くん。

潤くんは、へへ、なんて笑いながら照れてた。

リーダーも相葉くんも俺も笑ってる中、
そういや声聞かないなと思って翔ちゃんの方を見ると

ファミリー向けのビデオカメラを手に
その画面を見ながらニヤケてる彼。