44 / 幻の記念日 ページ49
side N
智「もしかして潤ちゃん、リハビリしたいって言ったの、これが理由？」
潤「ふふ、そ う だ よ」
雅紀「すげー、覚えてたんだね」
潤「も ち ろ ん！け っ せ い き ね ん び は、ま に あ わ な か っ た か ら ね」
翔「ふふ、そっかそっか、ありがとうね、潤」
彼に感謝を述べた翔ちゃんに頭を撫でられ
嬉しそうに微笑む彼。
そんな中俺は、
“ 結成記念日は間に合わなかった ”
この言葉が、頭を駆け巡っていた。
潤くんに全てを明かされた時
1番初めに言われた言葉。
『嵐15周年、一緒に迎えられないかもしれない』
14周年を目前にして
それを最初に言われた。
それが、最初の言葉だった。
アニバーサリーイヤー。
14年目を駆け抜けて15周年に入ろうと
よく話してた時でもあった。
だからこそ彼は
15周年、という言葉を使ったんだろう。
ごめん、と
何度も謝る彼の姿が蘇ってくる。
“ 先天性心疾患、っていう ”
“ 虐待、されてた ”
“ 残り1ヶ月を ”
あの時、あの瞬間
全てが壊れたと思ったあの瞬間の
彼の言葉が、彼の姿が、彼の涙が
鮮明に、描かれる。
智「ちょ、ニノ？」
翔「なんで泣いて…、大丈夫？」
嫌だった。
消えたかった。
夢だと思いたかった。
神様を恨んだ。
死ぬほど悔しくて
死ぬほど抗いたかった。
幼い頃以来、久々に
魔法が使えたら、と願った。
「や、ちょっと、思い出し、て…」
雅紀「ん…？」
あの時のことを知らないみんなは、
不思議そうに俺を見る。
せっかく引っ込んだ涙が止まらなくて
ダメだ、とだけ思って
“ 何も無い ” と言おうとしたら
潤くんが、口を開いた。
潤「…お ぼ え て る よ」
「…え？」
潤「…あ ん な こ と い っ て、ご め ん ね？」
謝らないで、と
いつもならそう言うけれど
俺の方に手を伸ばして握ってくれる彼に
そんな余裕なんて無くなった。
「……じゅんくん、」
俺の手を握ってくれた潤くんの手を握り返して
グィッ、と自分の方へ引き寄せて
力強く抱き締めた。
あの時の自分と
あの時の潤くんの気持ちを思い返して
その不安を拭うように
潤くんが消える不安を消し去るように
大丈夫だったよ、と言うように。
潤くんは今、
14回目のCDデビュー記念日の日に
俺の腕の中に居る、と
何度も確認するように。
作者より 2019/06/27 続編更新→←43 / 幻の記念日
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つ む ぐ(プロフ) - momoさん» ありがとうございます(*^^*)がんばります！ (2019年6月9日 12時) (
レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いてます！移行楽しみにしてますので、更新頑張ってください！ (2019年6月9日 2時) (レス) id: d7e2907fc9 (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ(プロフ) - なおさん» その気持ちでいっぱいですよね(*^^*) (2019年1月28日 16時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 五人で嵐、この二十年間ありがとう。 (2019年1月28日 15時) (レス) id: 22aa002e5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年1月19日 18時
