37 / 偽りの無さはきっと、キミ譲り。 ページ42
side S
異論なし、とはこのことだろう。
俺も相葉くんに対して異論なんて無かったし
智くんもニノも同様。
その上、会場にいる人達もそうだったようで。
隠さなくていい、
素直に気持ちを言える、
こんな状況は、なんて心地がいいんだろう。
『それでは、次が最後の質問とさせていただきます』
司会者の人が、時間を見てそう言うと
真っ先に手を挙げた人が居た。
司会者に質問許可を得た、その人の質問は。
『嵐は5人、と再び言える時はいつ来るでしょうか』
チクリ、と
カチン、と
その両方が心の中で生まれた。
それは、きっと俺だけじゃなくて。
俺がマイクを手にした時、
両隣の相葉くんとニノも同時にマイクを手にして。
けれど、それよりも早かったのは
相葉くんの隣の、智くんだった。
智「それは語弊があります」
俺達がマイクを手にした時に
既にそう言葉に出していて。
真っ直ぐに、質問者を見ていた。
智「僕達は今、4人で活動しているだけであって
嵐を4人としているわけではありません。
いつだって彼の居場所は空いているし
いつだって、メディア上での笑い声が1つ足りません。
けれど、彼の所へ帰れば
我々嵐はいつも通り5人です。
彼の事実を打ち明けた理由の1つも、
メディア上でもっと彼の話を出来るようにするためです。
彼を心配してくれている方々のためにも、
メディア上に、存在だけでも彼を戻したかった。
会見に緊張していた僕達を解してくれたのも
脳内に浮かんだ彼の笑顔です。
彼のおかげで4人では物足りないし
彼のおかげで5人が更に心地良い。
我々は、いつだって。
今この瞬間だって、5人です」
最後の言葉に
一斉にフラッシュが強くなった。
智くんのなかなか無い気迫に、
質問者の人は圧倒されてしまったようで
言葉が出ないのか、ただ何度も頷くだけだった。
けれど、智くんのこの言葉のおかげで
何の躊躇いも戸惑いも無く
堂々と会場を後に出来た。
俺らだけになる待機場所に戻れば
一番に出てきたのは、笑い声だった。
“ 緊張なんて、どうしてしてたんだろう ”
“ 自信しかないじゃないか ”
そんな思いで、ただ可笑しくて。
誰からともなく、一瞬だけ肩を抱き寄せて
やったね、なんて言葉無しで伝え合って。
やり切ってやったぞ、なんて笑顔で伝え合って。
呼びに来たマネージャーに着いていき
4人で病院行きの車に乗れば
嗚呼、ほら。
早く、キミに会いたい。
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つ む ぐ(プロフ) - momoさん» ありがとうございます(*^^*)がんばります！ (2019年6月9日 12時) (
レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いてます！移行楽しみにしてますので、更新頑張ってください！ (2019年6月9日 2時) (レス) id: d7e2907fc9 (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ(プロフ) - なおさん» その気持ちでいっぱいですよね(*^^*) (2019年1月28日 16時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 五人で嵐、この二十年間ありがとう。 (2019年1月28日 15時) (レス) id: 22aa002e5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年1月19日 18時
