33 / 隠した思いやり ページ38
side S
和也「じゃあ潤くん。先生と待っててね？」
潤「ん、い っ て ら っ しゃ い」
会見当日の今日。
ニノにそう言われた潤は、笑顔でヒラヒラと手を振る。
それに安心して、俺らも笑顔で手を振り返した。
けれど、病室から出れば
4人の笑顔は一変して、険しい表情に変わる。
“ 大丈夫だよ ”
病室から聞こえた先生の言葉は
潤も同じ気持ちだということを表している。
不安で堪らない。
ずっと隠してきたことを、
世間に公にするなんて。
雅紀「大丈夫だよ…、大丈夫。
潤ちゃんのためだ」
重くなった4人の空気を破ったのは
いつもの相葉くんの明るい笑顔では無かったけれど
彼らしい、前向きな言葉だった。
智「そうだよね、うん」
「ニノ。焦んなくていいからね。
言葉に詰まったって大丈夫だから」
和也「ん…ありがとう」
少しだけ軽くなった空気も、
それ以上は軽くならなくて。
会見会場に着いてからも、
みんなの表情は強張ってた。
でも、そんなこと言ってらんないから。
メディアの前に立つとなれば、
そんな表情見せられないし
隠すしかない。
そんなの、みんな分かってる。
智「よし、行こう」
司会の人が話し始めると、
智くんがそう言葉をかけてくれて
みんなでお互いに握手を交わして
最後に、ニノの背中を摩ってやると
ふふ、とニノの笑い声が漏れて
お互いに少し照れ臭くなって
“潤に影響されてるね” なんて笑い合って
その時には、みんな表情が柔らかくなってた。
結局俺らは、潤に力を借りてるわけで
そう思えたら、なんだか大丈夫な気がした。
「お願いします」
スタッフにそう促されて出ていくと
フラッシュの光が凄くて、少し目を瞑ってしまったけれど
4人で揃ってお辞儀をして顔を上げた後は
どこか安心出来て、
ずっと溜めていた息を吐いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 754人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つ む ぐ(プロフ) - momoさん» ありがとうございます(*^^*)がんばります！ (2019年6月9日 12時) (
レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いてます！移行楽しみにしてますので、更新頑張ってください！ (2019年6月9日 2時) (レス) id: d7e2907fc9 (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ(プロフ) - なおさん» その気持ちでいっぱいですよね(*^^*) (2019年1月28日 16時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 五人で嵐、この二十年間ありがとう。 (2019年1月28日 15時) (レス) id: 22aa002e5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年1月19日 18時
