13 / 心の痣 ページ17
side N
「…よしっ、潤くん、寝る前に体拭こうか」
なんとか涙を引っ込めて、
目が赤くならない程度に拭って。
潤くんにバレないことを祈り、そう言った。
部屋にシャワーはあるけど、まだ動くのは難しいし負担になるかもしれないから、体は拭くだけ。
手術前もそうだった。
心拍とかに影響があるから、体は拭くだけって言われてた。
だから、シャワーが無理っていうのは問題じゃないんだ。
問題は、別のところにある。
潤「…っ、」
リーダーと翔ちゃんの手を離して
そっと俺の手を握る。
手術前からそうなんだ。
みんなの前で、体を見せられない。
俺には抵抗無かったから一緒にお風呂まで入れたけど、
何故かみんなには、痣のある体を見られたくないみたいで。
手術前は、俺にしか体を拭かせなかった。
智「潤ちゃん、大丈夫だよ？」
雅紀「大丈夫、怖がんないで？」
潤「…ん…っ」
俺らにバレるまでは、家でコンシーラーを使って、
なんとか隠して来てたらしいから大丈夫だったみたい。
痣のある潤くんの体は、本当に痛々しくて
最初は、つい目を背けたくなった。
煙草を押し付けられた痕や、
棒か何かで叩かれて変色した部分、
腫れたまま放っておいたのか、その腫れが引いていない部分…
彼が受けてきた虐待が、どれだけ酷かったかを物語ってた。
でも敢えて、それには触れなかったんだ。
自分の体の痣なんて、きっと潤くんが一番分かってるだろうから。
その後体を洗ってる時も、
その痣たちを、何度も擦ってるのを見た。
そんな記憶を、俺が触れて掘り起こすなんてしたくなかった。
「…じゅーんくん」
小刻みに体が震え始めた潤くんを、そっと抱き寄せた。
分かってるんだ、潤くんだって。
みんなが引いたり、嫌ったりしないなんてこと。
ただ、怖いんだろう。
今まで誰にも見せてこなかった痣を、いろんな人に見せることが。
俺に抵抗無く見せてくれたのは、
きっと、生きれる可能性が少ないと思っていたからだ。
可能性が少ないのなら、隠しても無駄だと抵抗をしなかっただけなんだろう。
「みんなが潤くんを嫌わないなんて、分かってるもんねぇ、潤くん」
暗い雰囲気にしないように。
そう思って、少し明るく俺がそう言うと、
俺の腕の中でコクコクと頷いた。
ふふ、さすが潤くん、なんて言いながら
背中を擦っていると、キュ、と俺の背中に腕を回してくれた。
落ち着いてきた証拠だ。
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つ む ぐ(プロフ) - momoさん» ありがとうございます(*^^*)がんばります！ (2019年6月9日 12時) (
レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いてます！移行楽しみにしてますので、更新頑張ってください！ (2019年6月9日 2時) (レス) id: d7e2907fc9 (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ(プロフ) - なおさん» その気持ちでいっぱいですよね(*^^*) (2019年1月28日 16時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 五人で嵐、この二十年間ありがとう。 (2019年1月28日 15時) (レス) id: 22aa002e5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年1月19日 18時
