全力の愛を君に (ページ28)

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何やってんだ、俺。
目の前には俺のバンドの曲を流すパソコン、隣にはAさん。イヤホンを片方ずつ付けてるせいで距離がめちゃめちゃ近い。肌が綺麗すぎる。目が大きい。キラキラしてる。髪サラサラすぎ。いや俺変態すぎ。

Aさんがまさか俺のバンドに興味持ってくれると思わなくて。なんなら俺が聴こうとしてる音楽に興味持ってくれるとも思わなくて。嬉しくて話止まって欲しくなくて、気づいたらイヤホン片方差し出してた。
キモすぎん？嫌われてたら泣くわ。マジで。

『としみつさん…歌めっっちゃ上手いですね』

「…ありがとう。嬉しい、です」

ダメだ。そんなキラキラした笑顔で話しかけないで欲しい。その度にドキドキして俺の心臓がもたない。

てつやにAさんのことを教えてもらってから内緒でほぼ毎日のように動画を見ていた。正直どストライクだった。顔もだけど、性格も、歌声も。
いつも気持ちをストレートにAさんに伝えるてつやが羨ましすぎた。知らん間にめっちゃ仲良くなってるし。

虫眼鏡がちらっと俺たちの方を見て、イヤホンを2人で付けているのを見て目を見開いて驚いている。その後カメラでこっそり撮影していた。
Aさんはパソコンの画面見てるから気づいてないけど盗撮やめろ。けどその写真は送って欲しい。

『としみつさんの声だったらどんな歌も心に響きそう！こんな歌上手いならCD出したらいいのに！』

「あー、実は夢なんですよね…CD出すの」

『としみつさんなら絶対出せます！応援します』

キラキラした瞳で見つめられる。そんな風に見つめられたら誰だって期待しちゃうよ？

「じゃあ俺に曲作ってくれませんか？」

また会いたい。会う口実が欲しい。そう思って気づいたら口走ってた言葉。さすがに無理だよな…

『いいですよ！としみつさんになら』

「……え？いいの？」

『もちろん！』

やば。俺Aさんに曲作ってもらえるらしい。とんでもないことになった、

『じゃあとしみつさんの事とか色々知らないとなあ…あ！連絡先教えてください』

「あ、はい…」

『、ふふっ、としみつさん？どうしたんですか？』

あまりにもポカーンとしていたのか、Aさんに笑われる。嬉しすぎてちょっと心がどっか行ってたわ

「…敬語、やめない？あととしみつでいいし」

『うーん、いきなり呼び捨ては緊張するからとしみつくんで』

「じゃあ俺もAちゃんって呼ぶわ」

俺の携帯に " Aちゃん "の連絡先が入った。

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