夢 4 ページ44
貴方side
女の子は畑の上に倒れていたが、すぐに起き上がって、行く宛も無いのに道を歩き出した。
まだ外は暗かった。1時間程歩いただろうか...
家はどんどん減ってきた。すると、辺りは明るくなった。女の子は朝日をただ呆然と見ていた。女の子はしばらく俯いたが、泣かずに前へ前へと進み始めた。一歩一歩力強く...
しばらくして、日が高くなった頃...とうとう1件も家が無い。
けれど女の子は進んで行く。
時々通るマグル達は、そんな女の子の様子をただ見ているだけだった。女の子は、高そうなワンピースをかなり土や血で汚していて、1人で何処かへ向かっているように見える。
かれこれ女の子はもう5時間程歩きっぱなしだ。流石に疲れたのか、何処か遠くの方を見つめている。すると、女の子はいきなり走り出した。女の子が着いた先には、見覚えのあるボロくて歪んだ建物と、クィディッチごっこをする赤毛の兄弟がいた。
女の子が楽しそうに下で見ていると、もう1人下で楽しそうに見ている赤毛の女の子が居た。赤毛の兄弟達も気が付いたらしく、下に降りてきた。
赤毛1「君...名前は?」
『.....A?』
女の子は戸惑った様だった。
赤毛2「何歳?」
『...6歳』
赤毛3「僕と同い年だ!」
それから女の子と赤毛の兄弟達は家の中に入っていった。
そこで私はしばらく歪んだ家を眺めていた。
私は家の中に入ってみた。
そこでは、少し成長した女の子が、楽しそうに赤毛の兄弟とお話しをした後に自分の部屋に行き、引き出しを開けてあのネックレスを握っていた。女の子はネックレスを強く握っている。少し寂しそうに...
すると、私の手が暖かくなってきた。
私の手?
...これは夢だ!夢だった。でも、今見た出来事が全て現実だったら...?
あぁ、少し声が聞こえてきたな。
授業中に寝ちゃったんだっけ...?
目を開けてみる。そこには、心配そうに私の顔を覗き込む顔が七つあった。
...ドラコ...パンジー...ロン...ハリー...ハーマイオニー...クラッブ...ゴイル...
暖かかった手は、何もなかったが、まだ微かに温もりが、残っていた。
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作者名:那瑛花naeba | 作成日時:2016年12月29日 21時