四十二話 ページ47
さて、次の種目は大体の人が予想しているであろうトーナメント戦だ。
「辞退します」
誰かが後ろで手を挙げた。
白尾だ。
途中からなにかに操られたような、記憶が無いらしい。
自分の力では無いことは確かだから、辞退を決意した。
そして、トーナメントが組まれた。
それぞれ最初の対戦相手が発表される。
私は……
私ともう一人、会場に残って早速試合が開始された。
《ヒーロー科。影猫しろっ》
歓声が上がる。
《対して普通科、鈴木拓磨っ》
相手の外見は黒がかなり目立つ。
前髪が長い男性。
《スタートっ》
私は警戒心を放ち、相手の動きを待つ。
「お前か、あの時殺し損ねたやつは」
ボソリと呟く彼の言葉は確かに聞こえた。
私を見上げてまるで暗殺者のような目。
……暗殺者？
『まさか』
「おや、お気づきかい」
こんな近くに？いや、まさか。
そんな……
彼らがここにいるわけ。
「俺はラフィン・コフィンの一人。まさか、ここで会うとは思ってなかったぜ。モノクロさんよぉ」
恐怖、怒りが身体を強ばらせる。
落ち着け、ここは……ゲームじゃないんだ。
自分に言い聞かせるも父が殺された記憶がフラッシュバックして震えが止まらない。
「俺はお前とここで決着をつけてぇんだ。俺の個性は武器を創り出す。お前の得意とする短剣と俺の長剣で決着をつける。ほらよ」
首に当てたもん勝ちだ。
それに対してミッドナイトは許した。
手に馴染む短剣。
全身の毛を立てて、威嚇する。
そして、やつに向かって突っ走ろうとした時だった。
「頑張れ、しろっ」
大好きな声で強ばった緊張感も怒りも全部崩れ散った。
何に強ばっていたんだろう。
緊張することなんてなんにもない。
そうだよ、あのゲームのように。
いつもみたいに。
堂々としていればいいんだ。
体制を整え私は再び前を向いた。
奴は剣を片手にこちらへ突っ走ってくる。
その剣の先が私に届くか届かないか当たりで握っていた短剣を真上に思いっきり振り上げた。
すると奴の剣は真っ二つに折れ、剣の意味を無くす。
そして私は再び奴に向かって真っ直ぐに短剣を向けた。
すると、どうだろうか？
《影猫しろ、勝利ぃいいいい》
彼の首元に短剣が当てられていた。
奴は絶望に満ちた顔でこちらを見ていた。
『脇、開きすぎ。だから剣もまともに振れない』
「影猫しろ、二回戦進出！」
私は会場を降りた。
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朱里(プロフ) - まほちんさん» き、気づかなかった……全部直します！ありがとうございます！ (2018年3月28日 18時) (
レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
まほちん - 雄英高校が、ほとんど英雄高校になってます、、、！ (2018年3月23日 23時) (レス) id: 05f0b2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 名無し42823号さん» お、お恥ずかしい笑笑ありがとうございます！ (2017年12月3日 17時) (レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し42823号(プロフ) - 18話のクラインがクラウンになってますよ！お話面白いです！ (2017年12月2日 12時) (レス) id: 2281aa880b (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - よぼよぼ婆ちゃんさん» ご丁寧にありがとうございます！画像、貼り付けてみます！ (2017年10月19日 7時) (レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱里 | 作成日時：2017年9月17日 19時
