【キ.ヨ】動画は伸びても俺の恋愛経験値は伸びない【完結】

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｢うぃーっす。どうも、キヨでーす。
そんじゃ、続きやってくかー｣



俺はゲーム実況者

実況を始めてから随分経つ

自分で言うのもなんだが
動画を上げれば結構すぐ伸びる



｢じゃあ今日はこの辺でーバイバーイ｣





今日も沢山動画を撮り溜めしたし
編集でもするか



そう思ってパソコンを開いたが

何だか小腹がすいてきたので
食いもんを買いに行くことにした



行くのは家から少し歩いた所のコンビニ


家のすぐ近くにコンビニがあるが
俺がこのコンビニに来るのには理由がある





｢いらっしゃいませ〜！
あ、こんにちわ！！｣



｢･･･うす･･･｣




目当てはこの店員さん



新人のバイトの子だけど
めちゃめちゃ可愛ーんだわ


のぞみーるより可愛い子なんていないと思っていたのに

こんな身近にいたなんて



そもそも俺がこのコンビニに来たのは偶然だった

急な夕立で傘を買うために飛び込んだこのコンビニで

まだ研修中の名札を付けたこの子と出会った



｢あ、傘ですか?
申し訳ございません！
さっき全部売り切れちゃって･･･｣



予想もしなかった雨だから
みんな飛び込みで傘を買ったのだろう

仕方ねーから濡れて帰るかと思ったとき




｢あの、わたしの傘で良ければ使って下さい｣



その子はそう言って俺にピンクの
可愛らしい傘を差し出した



｢たまたまわたし置き傘してて、
夕立だしわたしがバイト終わる
頃には雨やんでると思うんで！
あ、ごめんなさいこんなピンクの傘で･･･｣


｢え、いや悪いし･･･｣



見ず知らずの人に傘を貸すなんて
その優しさに俺は惚れてしまった



｢返さなくても大丈夫ですよ｣


｢いや、ぜってー返しに来るから！｣




そして傘を返すのを口実に再びコンビニへ行き


それから頻繁に通うようになり
顔を覚えてもらえるようになった



｢いつもありがとうございます！｣





聞け



今日こそ連絡先を聞くんだ



頑張れ、俺




｢あ･･･あの･･･｣



｢はいっ?
あ、いらっしゃいませー！！｣





タイミング悪く


客が来た



｢･･･また来るわ｣



｢ありがとうございます！
またのお越しをお待ちしてます！｣





･･･完全にイモった



俺ってクソ雑魚だわ･･･









ゲームはそこそこ上手いと自負してるけど



恋愛すんのはすげー下手くそ






悔しいけど



今日のところは身を引くとしよう








･･･なんつって









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