【分岐END】ドSなサイコパスと甘美な時間３【実.況.者】

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修学旅行2日目

神戸散策




昨夜は結局ラーヒーとじゃんけんで決着をつけた

俺のじゃんけん論議話したら長くなるけどさ、じゃんけん強いんだわ俺


今日は俺が委員長を独り占めだ



「･･･で、どこ行くの？」


委員長が俺に訊ねてきた
わくわくが抑えられない俺は足取りが軽い



「俺、行きたいとこ決めてんだ！」


浮かれ足で歩く俺と正反対に
歩幅の小さな委員長は俺の後ろを歩いている


同じ歩幅で歩くのって、なんか難しいな



「お、ここだ」



俺達が来たのは大きな神社

昨日ちゃんと調べてきたんだ



「キヨが神社に行きたいって言うとは思わなかったな」


「ん？なにそれどーゆー意味？」


「いや、繁華街の方が好きそうだなって」


「俺だって知的なとこあんだぜ？？」



いつもふざけてばっかの俺

真面目な委員長とはこれまた正反対だと思う


だからたまにはちょっとインテリっぽいこと言ってみようかなって･･････こんなこと考えてる時点で知的ではないか、うん




「ここの神社さ、縁結びが有名なんだって」



“縁結び”だなんて、ただの願掛け



神様だって、たかがちっぽけな俺なんかの恋を実らせる時間があるほど暇じゃないはずだ



頭ではそう分かってるつもりなのに、俺は迷いなく此処に来ると決めていた




なによりも、此処に委員長と二人で参拝するという事に意味がある気がして





境内に入り二人並んで賽銭を投げた




隣の委員長は軽く済ませてふぅ、と息を吐いていた


俺はずっと



ずっと真剣に手を合わせる









神様、お願いします


どうか、彼女が生きていく世界から


笑顔が絶えませんように







例え




例え、彼女の隣に居るのが俺じゃなくて────









「･･････真剣だったね、キヨ」


「え･･･そうかな？
んー･･････ね、委員長なにお願いした？」


「えっと、大学受験がうまく行きますように」


「縁結び関係ないじゃん！！」


「あ･･･そう言えば･･･」


「はは、委員長らしーね」



小さな委員長の頭をぽんぽんと撫でた




本当、委員長らしい


俺とは正反対





「ねぇキヨ･･･」



なんだか神妙な面持ちで委員長が俺を呼んだ

なんとなく、答えづらい質問をされそうな気がして、俺は敢えてなにも考えてない素振りで笑った


俺のお得意の“気付いてないフリ”



「ううん、やっぱなんでもない」



視線を逸らしながら笑った委員長




どうしてそんな顔をするのか



俺には分からないよ



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