第四十話:人狼 ページ44
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「何が人畜無害な村人やねん…！」
ロボロは城壁の上を駆けながら独り言のようにそう吐き捨てる。インカムから珍しく弾んだAの声が響いた。
『それが人狼ゲームというものだろう？……それと天乃。頭上注意だ』
「……は？」
Aの言葉にロボロは頭上を仰ぐ。痛々しい程青い空に影が一つ。深紅を靡かせ、一撃必殺の弓を構えている。
─────避けな
ロボロが体を横にずらす。だが、Aの放った矢はロボロの肩を容易く貫いた。
「アァッ！！」
短い断末魔を残してロボロの姿は白い煙のようなエフェクトと共に消え失せた。
『まずは一人』
華麗に着地したAはロボロが所持していた煙玉を拾う。インベントリに追加されたそれを見てAは満足そうに口角を吊り上げた。
───しかし、脳天を狙うつもりだったが避けられてしまったな。残念。
「えっ、殺るの早ない…？」
『野放しにする必要性も無いだろう。さぁ、どんどん喰って行くぞ』
「Aが覚醒してるめう〜……」
Aの容赦無いプレイスタイルにドン引きのメンバーを他所に彼女は軽い足取りで城内を駆けて行く。
───白確定の捏島を最優先にして、オスマンと鳥井は取り敢えず様子見だな。撃ってきたら迎撃すれば良い。
石造りの階段を駆け下りると、鮮やかな赤を咲かせる薔薇園がその葡萄色に映る。その刹那、Aの視界に日光を閉じ込めたような金髪が飛び込んできた。
『捏島ァ！』
「ウオォォォ！？あっぶな！？」
普段からは考えられないくらい昂った様子でAは、薔薇の陰に隠れていたコネシマ目掛けて矢を放つ。コネシマはそれを咄嗟に避け、矢は石畳に突き刺さった。
Aは次の矢を矢筒から抜き取り、コネシマに向かって放つ。コネシマは何本かを避けながら撃ち返していたが、抵抗も虚しく丁度胸の真ん中に矢が突き立てられ、ロボロ同様喧ましい断末魔と白い煙のエフェクトと共に消えた。
「やば、ほんま強いねんな。生徒会長」
ぽつり、とゾムが呟く。遠目からAの活躍ぶりを見ていたが、初参加とは思えぬ程の身のこなしの軽さ。歩みを進めるその足に迷いが無いことから既に城内の構造を把握しきっていることが見て取れる。
化け物じみている。
そう思うと同時にゾムの中でふつふつと闘争心が湧き上がった。
戦いたい。
誰よりも激しい攻防戦を繰り広げたい。
ゾムは鋭い歯を見せながら口を歪めた後、煙のようにその場から姿を消した。
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
