第三十六話:目安箱 ページ40
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Aの告白騒動(語弊)から数日経ったある日の事。
エーミールはHRが長引いてしまっているAの代わりに書類整理などに勤しんでいた。委員会に仕事を分散させたからと言って生徒会がすべき事は多くある。エーミールは、山のように積み上がった書類を一つ一つ丁寧に目を通しながら仕分けをしていった。
エーミールが書類整理を始めて数分後。聞き慣れた靴音が近付いてくる。それは生徒会室の前で一度ピタリと止み、やがて重厚な扉が開かれた。
顔を覗かせたのはA。その腕には丁度彼女の腕に収まる程度の箱が抱えられていた。
「こんにちは、生徒会長。……それは？」
エーミールが首を傾げて問い掛ける。Aはその箱を生徒会長専用の机に置いたかと思えば、何処か得意気に答えた。
『これは目安箱だ。昨夜私が作った』
まさかの手作り。Aは『ちゃんと木材で作ったから頑丈だぞ』と付け加えた。
目安箱と名付けられたその箱は上が開閉式になっており、A曰く、専用の紙に意見を書いてポストのように投函する仕組みになっているらしい。
「何故こんなものを？」
『決まっているだろう、一般生徒の意見を改革に取り入れる為だ』
そう言って目安箱の蓋を軽く叩くA。
『与えられた自由だけで満足して貰おうなんざ、更々思っていないからな』
彼女は勝気に笑った。
────────…
Aが設置した目安箱の反響は大きかった。
匿名可能というシステムが功を奏し、目安箱に様々な意見が投函されたのだ。
そんなある日のこと、Aは目安箱に入った意見書に目を通していた。
生徒会室にはエーミールとひとらん、そしてすっかり居座ってしまったシャオロンが居た。
シャオロンに対して諦めモードに入ったAは、ひたすら意見書に目を通し、この学園の改善点を探していた。すると、一枚の紙が目に入った。
『運動場の開放？』
そこには、運動場の一部を開放して欲しいという趣旨の意見が書かれていた。
飛行術などで使用される為、この学園の運動場は広大な敷地を有する。放課後はサッカー部や野球部などが使用しているが、それでも有り余る程だ。
成程、良い案かもしれない。
Aがその紙を手に取ると、いつの間にかAの隣に移動していたシャオロンが「あ」と声を上げた。
「それ俺達の意見やん。採用してくれるん？」
『君の意見か……まぁ、用途によるな』
「ほんなら、」とシャオロンがAの顔を覗き込む。
「見学してみる？」
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
