第十四話:サプライズ大成功 ページ17
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Aは非常に満足していた。
デジャヴを感じる語り出しかもしれないが、この際気にしないでくれ。兎に角、Aは本当に満足していたのだ。
先日、全校集会での新校則発表の演説を終えたAは、全校生徒の拍手喝采を背負いながら舞台袖に下りると、案の定、
「一体どういうことだね、椿木君！」
「校則を変えるなんて儂らは一つも聞いていないぞ！！」
「一から説明して頂こう！！」
等々。いい歳した老人が齢十七程の少女に詰め寄るその光景のなんと滑稽な事よ。
Aは込み上げる笑いを必死に抑えながら、鉄面皮を貼り付けて答えた。
『私は生徒会の自治権を行使しただけですが、何か問題でも？』
さも当然の如く言い放たれたその言葉に教師は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「ふ、巫山戯るな！！いくら生徒会長だからと言ってやっていい事と悪い事があるだろう！！その分別さえつかないのか貴様は！！」
教師が怒号を浴びせた瞬間、ついにAは堪えきれずに思い切り吹き出した。
気が触れたかのようにけたけたと笑い出すAに教師達は怒りを忘れ、思わず後退りをする。
『あー……可笑しい』
一頻り笑ったAは伏せていた顔を上げ、教師達に向かって微笑んだ。傍から見れば女神が微笑んでいるが如く、しかし、教師達にはそれが悪魔の微笑みに見えたという。
ゾッとする程完璧な微笑みを浮かべたまま、彼女は良く通るアルトで声を紡いだ。
『サプライズ大成功、ですわ』
───────…
───嗚呼、いつ思い出しても笑いが込上げる。
困惑と怒りに顔を歪める教師達を思い出してAはくすくすと笑う。この女、意外と性格が悪い。
笑顔を湛えたまま生徒会室の扉を開けると、江見とひとらんがAを出迎えた。
「こんにちは、生徒会長。今日も御機嫌ですね」
『あぁ、先日からずっと機嫌が良いんだ』
滅多に見せることの無い満面の笑みを浮かべながら、定位置である黒革の椅子に腰掛ける。
「今日はどうする？」
ひとらんもA同様、機嫌良さそうにそう問うた。
『そうだな、今日はサプライズ大成功を記念して紅茶でも飲もうか』
Aは完璧に微笑みながら、深紅の髪を揺らした。
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
