第二十七話:黄色の挑戦状 ページ30
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"決闘"────生徒会長に一般生徒が戦いを挑み、勝てば生徒会長の座に座ることが出来るというもの。
選挙とは違い、強さだけで学園の実質トップにのし上がれるシステムだ。
それに目の前の少年は挑戦しようというのか。
ちらり、と時計を見れば授業開始五分前。心配そうに此方を見詰める鈴芽を先に行かせ、少年と向き合う。
「お、受けてくれるん？」
そう言って嬉しそうにシャベルを担ぐ少年。ネクタイの色から察するに一年生だろう。全く、威勢の良い事だ。
『悪いが、今その決闘は受けられない。もうすぐ授業も始まるし、何より中間考査がある。決闘を申し込むならせめて一週間後にしてくれ』
私がそう返すと、少年はむっと口を尖らせた。
「なんや、ケチやな。もっと好戦的かと思ったんやけど」
『生憎、勉学を放り出すような真似はしない』
「ふ〜ん、まさかとは思うけど……」
────自信ないとか？
その言葉にぴくり、と眉が動く。少年は黄色の瞳を細めてにやにやと笑っていた。成程、私を煽って戦わせる気か。
『威勢が良いな、一年生。だが、今此処で勝負を挑めば泣くのは貴様だ』
踵を鳴らして少年に歩み寄り、至近距離からその黄色を覗く。
「はッ、随分と自信満々やな」
『当たり前だろう、私を誰だと思っている』
口許を歪め、言葉を続ける。
『一週間の猶予をやろう。それまでに私とまともに戦えるようになって来い』
そう言って少年の脇を通り過ぎる。少年は驚いたように此方を振り返ったが、私の後を追おうとはしなかった。
───────…
少年は一人廊下に立ち尽くしたまま、遠のいて行く深紅を見詰めていた。
椿木A、生徒会会長で桐ノ院学園の実質トップ。才能もカリスマ性も申し分無く、魔法の成績も優秀と来た。そして何より、全校集会で見せた好戦的な表情。
一目見て、戦いたいと思った。
だから、少年は彼女に決闘を申し込んだ。しかし、その返事は良いものでは無かった。
如何しても戦いたかった少年は、得意の煽りで彼女の闘争心を煽った。だが、彼女は一切動じず、寧ろ少年を煽り返してみせた。
そして何より、彼女が去り際に放った一言。
少年だけに聞こえるように言ったその言葉。
一週間後を楽しみにしているぞ
ハオ・シャオロン
「……なんで、名前知っとったんや…」
シャオロンは呆然と呟いた。
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
