7日間の王 (ページ2)

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『結局、持ってきちゃったなぁ…』

気になって仕方がなかったから家に持ち帰る事にした。

お気に入りのカバンに入れてあるのをいつもの電車の中で覗いて駅に着く。

駅からはそんなに遠くはないので帰り道は歩いている。

そして、疲れた腰をいたわるように伸びをして周りをボーッと見渡した。

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『…なんで、車も人も通っていないの…？』

月曜日〜土曜日まで、仕事がある日は毎回通る道。

人通りはそんない多い方じゃないけど、必ず私の他に誰かいるはず。

こんな事ってあるのか…？

『えっ…』

不思議に思っていると、目の前には橋。

下には浅い川が流れている。

『ちょっと待って…』

自然に橋の欄干の方に足が動く。

そこから覗けば綺麗な川。

落ちたら確実にヤバい。

なのに私の手はこれを飛び越えようとしている。

『ヤバいって…無理無理！』

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________ﾄﾀｯ

必死に戻ろうとして歩道の方にくるっと向きを変えた。

その瞬間、足が思うように動かず私は真っ逆さまに落ちてゆく。

目に最後に映ったのは夜空だった。