ポニーテール。 (ページ9)

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カバンをブランコの側にあるベンチに置いて、私は一成に言われるがままバットを持ってみた。

おもちゃのバットならいくらでも振った事あるけどこんな重い本格的なやつはやった事ないんだけど…。

豆「ちょっと！
そんなへっぴり腰だと笑われちゃうよー！‪笑」

『う、うるさいってば！//
こっちは真剣にやってんだから！』

豆「もー仕方ないなぁ…」

横で腕を組みながら見ていた一成が後ろから私の体を包むようにして一緒にバットを持った。

いくら幼なじみでもこの状況は緊張するって//

豆「いい？立つ時はこーやって…」

『う、うん…//』

豆「そうそういい感じ。
で、バットの方向はもうちょいこっち」

『こ、こうかな…！』

豆「あっ…」

『あっ…//』

一成に直してもらったのが合ってるかどうか確認したくて後ろを振り返った。

ﾊﾟｯと頭を向けると顔と顔がくっつきそうなくらい近かった。

小さい時なら、こんなの笑って済んだ事なのに今はお互い見つめ合い無言の時が流れる。

ﾊｯとして一成が私から離れると「その状態でバット振ってみな…」って言うから思いっ切り振りかぶった。

豆「…出来るじゃん」

『ま、まぁね…』

豆「………帰る？」

『…うん』

バットを一成に渡し、お互いカバンを持った。

いつもの帰り道なら楽しく喋っていたはずなのに話し方を忘れたように出来なかった。

私の家の前で別れた時、一成の耳がほんのり赤かったのは沈みそうな夕日のせいですか…？