ポニーテール。 (ページ7)

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今日の最後の授業は奨くん先生の英語だった。

勉強はまぁそこそこ出来るからそんなには苦労していない。

ただ勉強する理由は特になく、今しておけば後が楽になるだろうという考えでとりあえずやっているってだけ。

私も一成みたいに夢があればなぁ…。

奨「中川、今日も放課後残れるか？」

『えーまたですか？』

奨「大事な話だから教室いて欲しい」

『…分かりました』

また居残りか。

大事な話って言ってたし、長くなるかもと思って今日はあの教室に行かない事にした。

一成に連絡しとかなきゃ。

A一成!今日も居残りくらったから行けなさそう!ごめんね!汗

一成またくらったのかよ笑

一成じゃあ、先に帰ってるねー!

そう連絡すると最後に可愛い犬のスタンプが送られてきた。

あぁ、私の大切な時間が…。

奨くん先生一生恨んでやる←

有「A、顔がﾎﾞｰｯとなってるよ」

『有咲ぁー私居残り嫌だよぉ』

有「言われたもんは仕方ないよ」

『うぅっ…』

有「じゃ、お先に」

『有咲のいじわる』

帰りのHRが終わったあと、一目散に帰って行った。

教室には私1人だけ。

すると、1枚の紙を持って奨くん先生が私の所まで歩いてきた。

ｽｯとその紙を机の上に置くと、それには”進路希望表“と書かれていた。

奨「いいか、中川。なんで白紙のままで提出したんだ？」

『…』

奨「黙ったままだと分からないぞ」

『…夢がないんです。だから白紙で出しました』

奨「あのなぁ。もう少し真剣に考えてくれ」

『そんな事言われても…』

無いもんは無いんだから仕方ないじゃん…。

こっちだって真面目に考えたのに1つも出てこなかったんだもん。

奨「もうお前は3年生なんだぞ？
そろそろ決めないと遅れをとって大変な事になる」

『…ですよね』

皆は私を置いてどんどん夢を実現させようと頑張っている。

有咲だってああ見えて医学部に行こうと必死に努力を続けている。

正直、もうどうすればいいのか分からない。

とりあえずそう奨くん先生には伝えたが、ﾊｧｰと深いため息をつかれた。

先生が一生懸命な気持ちで私と話してくれるのは嬉しいが、その気持ちに応えられない私が余計に嫌になって仕方がなかった。