ポニーテール。 (ページ22)

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一成side

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廊下の隅に来て2人っきりになり、僕より先に歩いていた大野さんがｸﾙｯと僕の方に向いた。

有「唐突で申し訳ないんだけど、最近Aと話してる？」

豆「…」

有「その様子だと図星みたいだね」

豆「話すのがちょっと…」

有「何よそれ。みっともない。
知ってる？A、髪の毛切ったんだよ？」

豆「えっ…」

有「自分の気持ちはちゃんと伝えないと。
あの子は鈍感な所があるの、あんたが1番知ってるはずでしょ？」

そう言われて自分の中にあったモヤモヤがｽｯと消えたような気がした。

気づいた頃には僕は大野さんを置いて走り出していた。

大野さんが大きな声で「第2教室！」とだけ言われ、その教室に向かった。

ｽｯと後ろのドアから入ると、窓際でﾎﾟﾂﾝと座っているAちゃんを見つけて他人の目も気にせずその場所に立った。

『えっ…一、成？』

豆「…」

『なんでここに…？』

豆「話す事があるから屋上行くよ」

『えっ、ちょっと！』

そう伝えた後、僕はAちゃんの腕を掴んで廊下をまた走った。

先生が「廊下は走るなー！」なんて怒っているのを無視して無我夢中で屋上まで行った。

僕が言わなきゃいけない事はただ1つ。

どうか、Aちゃんに届きますように。

そう思って少し重たい屋上のドアを開いた。