ポニーテール。 (ページ19)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:42,221 hit

#19 ページ19

･

･

リレー本番。

結局、あの子にハチマキをあげちゃった。

自分は交換しないって言ってたくせにね…。

「これでいいんだ…」そう言い聞かせて、自分のじゃないハチマキをｷｭｯと握りしめた。

･

･

･

･

有「A、それで良かったの？」

『別に気にしてないよ…笑
ありがと、心配してくれて』

有「そっか…」

『…あっ、ほら！もうすぐリレー始まるよ！』

私はいつもの調子を出して、運動場にいる人達を見た。

一成は、、、

最後尾にいるからアンカーかな。

頑張って欲しいけど、応援する気にはなれない。

そんな自分が嫌で…辛かった。

･

･

･

____________________________________________

･

･

体育祭は1組の優勝で終わった。

リレーの結果は5組とのデットヒートだったが最後の最後で追い抜き、勝つことが出来た。

奨くん先生もとても喜んでいるようで、クラスの皆と盛り上がっている様だった。

その後、私は建ててあったテントを有咲と片付けて教室に戻ろうとしていた。

豆「Aちゃん！」

『…！』

頭にハチマキを付けていない一成が私に話しかけてきた。

『ど、どうしたの…？』

豆「どうしたのって写真！
撮るって言ってたでしょ？」

『あ、そうか…』

豆「もう！忘れないでよ！笑
あっ、お団子少し崩れてるから直s…」

『止めてっ!!』

1日中、外で運動をしていたため髪型が変になっていたんだろう。

一成が私の髪に手を伸ばそうとした。

私はそれを払い除け、一成から目線を逸らした。

豆「…えっ、あぁ、なんかごめんね」

『…』

豆「Aちゃん、大丈夫…？
なんかあったのなら僕に言っt…」

『…いて』

豆「え…？」

『もう私の事はほっといてよ!!
髪の毛ももう触らないで!!』

豆「あっ！ちょっと待って！」

私は心配してくれていたであろう一成を置き去りにし、走って教室に戻った。

本当はあんな事言いたくないのに…。

どうして私はこんなにもバカなんだろう…。

最後に見た一成のなんとも言えない表情が脳裏に焼き付いている。

そして、

この出来事を機に、私達は喋らなくなった…。