ポニーテール。 (ページ18)

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それから、ものけのからになった私は自分のクラスのテントで休んでいた。

何にも考える事が出来なくて、ただ運動場を見つめるだけ。

綱引きは無事に勝ったものの“嬉しい”なんて感情は一切湧いてこなかった。

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気づくのが遅すぎたんだ…。

なんで、こんな時に分かっちゃうんだろ。

あの教室で私の髪を触ってくれるのも、帰り道にワイワイしながら一緒に帰るのも、

全部全部…一成が好きだから嬉しかったんだ…。

そう思うと、胸が熱く苦しかった。

?「あの…」

『…えっ…』

私がﾎﾟﾂﾝと俯いていると、知らない男の子から声を掛けられた。

私より随分背が高く、見るからにスポーツマンタイプの人っぽい。

男「急に話しかけてごめんね。
ちょっと中川さんに頼み事があって」

『は、はぁ…』

男「その、、、

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ハチマキ、交換してくれないかな…？」

『えっ…？』

男「あっ！嫌なら大丈夫だから！
その…俺さ、次のリレーに出るんだけど中川さんのハチマキ付けて出たいなって思ってて…

元気出るというかなんと言うか…笑」

そう言いながら頬を少し赤らめた。

私の、ハチマキを…？

まさか、そんな事を言ってくれるとは思わなくて正直驚いた。

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どうしよう…。

その瞬間、たくさん自分の心に問いかけて交換するべきかしないべきなのかを考えた。

私の出した答えは、、、

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『交換、してください…』