↓ ページ4
ついに彼が旅立つ日がやって来た。
寂しいし心配だし行って欲しくないし、この日も来て欲しくなかった。
だが国のためにそれは仕方の無いことで、彼も国の役に立つことを望んでいる。
俺だってそうだ。
この国の、国民の、仲間の役に立ちたいと思って日々生きている。
でもやはり、恋人との別れほど辛いものは無い。
ni「じゃあ、行ってくる」
わざわざ医務室まで来てくれた彼が、席を立ってからそう告げた。
唇をぎゅっと噛み締めて、引き止める言葉が溢れそうになるのを何とかこらえて。
sn「…うん、いってらっしゃい」
俺が言うと彼は満足気に、安心したように笑って扉に向かう。
だがドアノブに手をかける前に振り返って両手を広げてきた。
sn「なに？」
ni「抱きしめさせろ」
sn「んふ、相変わらずやな」
少しSっ気なところも何も変わっていない。
半年後もどうか、そのままで──。
立ち上がって彼に近づけば途端に抱き寄せられ肩に顔を埋めてきた。
ぐりぐりと押し付けられたかと思えばふっと肩の重みがなくなり間髪入れずに唇に柔らかくて暖かいものが触れる。
それが何が気づいた瞬間俺は恥ずかしさから咄嗟に身を引いて未だ感覚が残る唇に手をやったのだった。
sn「ッ…///なに！」
ni「キスくらい何回もしたことあるやろ」
sn「せやけど…！///」
ni「行ってきますのキスや。それくらいええやん」
飄々と言ってくるが一方俺の顔にはどんどん熱が集まっていく。
sn「今までそんなことした事ないやん！」
ni「そういう気分やったんや。…そしたらただいまのキスもしてくれるやろ」
その言葉に俺が呆気に取られている間に彼は少し赤く染った顔を隠すようにして「じゃあな」と残し医務室を出ていった。
sn「…それは反則やろ/////」
自分の顔は彼の何倍も赤くなっているのだろうなんて考える。
だって彼があんなに照れているのを初めて見たから。
我に返って俺は慌てて部屋を出て通路の先の方を歩いている彼の背中に向かって大声で叫んだ。
sn「好きやでッ！兄さん！！」
声が届いたのか、彼は歩みをとめず背を向けたまま右手を掲げて２、３度振って見せた。
sn「帰ったらいっぱい、好きって言ってな…」
それをご褒美に、いつまでも待ち続けるから。
──
リクエストありがとうございました！
gr×tn☆【rimu@他力本願寺建設完了！さんリク】→←ni×sn【琥珀さんリク】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい - リクです。zmrbでrbが嫉妬しているやつでお願いします。行為があったらうれしいです。！！！ (8月31日 22時) (
レス) id: 2287692f9d (このIDを非表示/違反報告)
輝花 - リクエストです。シャオコネ(コネさん攻め、シャオさん受け)のお話をお願いします。感じとしてはシャオさんが誘拐され色々やられている時にコネさんが、助けに行くという感じでお願いします。あと激しめだとありがたいです。 (8月6日 0時) (レス) id: c08f40e025 (このIDを非表示/違反報告)
レマ - リクです ut×shoで嫉妬お願いします｡ (2023年4月30日 1時) (レス) id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - リクです！ドロドロでお願いしたいんですけど、愛に飢えたshoがzmと付き合ってたけどzmの長期出張の時にknと浮気して、それがバレてzmに殺されかけた挙句、knと心中することに…。でお願いします！僕の性癖詰めまくりです！あ、いけたら行為描写もお願いします（^人^） (2023年4月16日 14時) (レス) id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - 初コメ失礼します！う腐腐、美味しい。僕の推しがてぇてぇんじゃぁ…。 (2023年4月16日 14時) (レス) @page10 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：抹茶 | 作成日時：2023年3月12日 22時
