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次の日
寄りによってメンバーとの仕事。
昨日あんな最悪な雰囲気にしてしまったから
ほんまに合わせる顔がない。
初めてこんな気持ちになって、
どうしたらいいかわからへんくて、
集合時間の1時間前に楽屋に着いてしまった。
誰もいないがらんとした楽屋
それが無性に悲しくて、寂しくて、
感じたことの無い孤独が押し寄せる。
「……俺が悪い、わかってる、」
口で伝えるのが苦手な俺ができることは
やる姿勢を見せることやから
広い机の端っこでノートと向き合う
適当に感じたこと思いついたことを書き殴ってれば、
目の前に人の気配がした。
照史「……なぁ」
「……ゎ、照史、」
照史「なんか言うことないん?
昨日お前が勝手に帰ってスタッフさんとかみんな困っててんけど」
「……ぁ、っ、ごめんなさい。」
淳太「それを1番に言いに来るんやないの?」
「、そう、です。」
照史「んでなに、歌詞頑張ってます、って
姿勢見せようと思ったん?」
「…………」
淳太「ほんまみんなの気持ちも考えや?しげ。」
「ぉ、頑張ろうとしてたん?」って
認めてもらえると思ってたのに、
2人から出たのは全く逆の言葉
逃げ出したかった。怖かった。
上から降ってくる言葉がグサグサと俺の心に突き刺さる。
どれも正論、俺の自分勝手なわがまま。
そんなん、自分がいちばん分かってる。
やりたい、ってだけの俺の思いなんか
みんなにとっては独りよがりな意見に過ぎない。
「……ほんまに、ごめん、なさい、」
なんとか絞り出したその声と共に立ち上がる
今にも零れそうな涙を隠したくて、
ばっと駆け出そうとすれば、
周りにはメンバー全員がおった。
流星「……しげ、」
智洋「……しげ、」
「……っ、みんな、敵、なんやろっ、」
誰も味方やなくなったこの状況。
俺の居場所なんてないのも同然だった。
急いでトイレまで走って個室に鍵をかける。
……なんで、なんで、こんなはずやなかった、っ、
泣いていい場面やないし、
俺に泣く権利なんてない。
唇が切れるほど噛み締めて、
なんとか涙を零すことなく耐えきった。
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5歳児ニコニコ天使ちゃん - 完結おめでとうございます。素敵な作品すぎて読んでいたら自然と涙が溢れてきて、間違っちゃいない。を久々に聴きにいこうかなと思いました。完結までお疲れ様でした! (7月26日 22時) (レス) @page24 id: 17fbf9b77b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりまる | 作成日時:2023年4月18日 14時