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「……はぁ、やってもうた、よなぁ、」

あんな大口叩いて、勝手に出ていった手前
後に引くなんてできなくなって、

家に着いて真っ先に机に向かったけど、

頭に浮かんでくるのは、さっきの打ち合わせの光景。

何を書きたいのか、どういう曲を作りたいのか、
まったく浮かんでこおへんのに
たった一つの思いだけで突っ走った俺。

メンバー絶対怒ってる。

照史と淳太なんて声だけでわかったもんな、
イライラしてるって。

でもな、俺は、やりたかってん。

ほんまに照史とやったあのユニットが忘れられへんくて

だからまたあのステージでピアノ弾けたらなぁって
それだけやのに。

「ピアノ、やりたいんよ、俺。」

口に出して、何度も自分の気持ち確かめて。
やっぱりやりたいと強く思ったから
あの紙を差し出した、

んやけどな。

「……ああ、あかん、なんも出てこおへん。」

ノートと鉛筆を投げ捨てて、ベッドにダイブ。

「、なんで泣いてんねやろ、」

ぽたぽたとシーツに染みを作るのをぼんやりと見る。

メンバーに肯定の言葉を言ってもらえんかったのが
思ってるよりも堪えてたんやなって

なんか情けなくて悔しかった。