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家に帰ると、ふいに頭に浮かぶメロディ。
忘れへんうちに必死でピアノで弾いてみる。



仮歌提出まであと三日。

気にせんようにと、毎日毎日感じたことだけって
頑張ってるけど、嫌でも迫ってくる締切日


ここまで、メンバーが支えてくれて、
独りになりそうな俺を救ってくれた。






この歌ができた時、もちろんファンの人にも届けたいけど、1番に届けたいのは自分にかもせえへん。

そんなことを最近は思うようになって。

でもそれでいいんじゃないかって。
自分のために書いたってええよなって。


歌が必要なくらい弱ってる俺を受け入れる俺がいても
いいんだよって、







ピコン





なんか考えすぎて、泣きそうになっとったら
そばに置いといた携帯が光る。








「……なんや、……淳太、」


『電話かけてええか?』


「……なに、その許可制、」






俺の事見えてるんかなってくらいのタイミング。








″……もしもーし、″



「……もしもし、淳太」



″ぉん、体調は大丈夫か?″



「……それで電話してきたん、?」






やっぱり淳太の声はいつだって安心する。
だから自分の嫌な部分まで話してしまいそうや。








″まあな、心配やから。″



「……なに、怖いわ、なんか」



″ふっ、素直やないなお前は(笑)
ちゃんと寝てや?今日昼間魘されてたみたいやん″




「…………なぁ、淳太、」








ほら、言わんくていい事まで、
淳太になら言ってしまいそうになる。









″ん?″



「おれ、ちゃんといい曲作るから。」



″……おん、楽しみにしとるわ″



「やからさ、淳太、」



″なんやねん(笑)″




「……頑張った自分を認める日を作ってもええよね、?」



″……ふふ、当たり前やんか。
なんなら俺が楽譜に花丸書いたろか?先生みたいに(笑)″






あぁ、淳太が電話かけてくれてよかった。
いつだって淳太は淳太。
俺の欲しい言葉をくれんねん。





「……ありがと。淳太。」



おかげで、歌詞もメロディーも思いついたよ。

でもまだ、花丸には至らない、から。




″間違い探しの世界で
赤ペン持つのかい
インクが足らないね″




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5歳児ニコニコ天使ちゃん - 完結おめでとうございます。素敵な作品すぎて読んでいたら自然と涙が溢れてきて、間違っちゃいない。を久々に聴きにいこうかなと思いました。完結までお疲れ様でした! (7月26日 22時) (レス) @page24 id: 17fbf9b77b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりまる | 作成日時:2023年4月18日 14時

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