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崇裕「のぞむ、帰ってきた時は兄ちゃんに大丈夫って言うたやんか、覚えとる？」
望「……ｺｸｯ」
崇裕「どうしてそう言ったん？」
望が嘘をつくとは思えへんけど、
もしこれが嘘なんやとしたら、なんで嘘をついたのか知りたくて。
優しい顔で優しい声で尋ねると、
望は俺が持ってた2枚のカードのうち、
泣いてる顔の絵を指さした。
崇裕「……えっ、」
望「……にいちゃん、このかお、みない、、」
崇裕「……のぞむ、もしかして、兄ちゃんが悲しい顔して欲しくないから大丈夫って言うたん？」
望「……ｺｸｯ」
信じられへんかった。
この子が俺の気持ちを考えて、
俺がどういう反応をするか想像して、
発言したということが。
勝手にこの子はそういう風に人の気持ちを分かる日は
来ないと、思って。
崇裕「……のぞむ、」
望「……でも、っ、がっこ、さみしい、こわい、
だった、、」
張り詰めたものが解けるように
望が今度は大声で泣き始めた。
崇裕「……望、よう頑張った、ほんま、頑張った、」
望「……っうぅあぁんっ、っ、ひっ、」
崇裕「ごめんな、兄ちゃんが望の気持ちわかってへんかったなぁ、ごめん、なぁ」
望は自分のペースでちゃんと成長しとって、
ちゃんと大人になろうと頑張ってて、
でもやっぱり泣き方とかお話とかは子供で。
そんな望を望ごと全部抱きしめたくて、
すっぽりと俺の腕の中に包み込む。
ほんならふと、テーブルに置いてあったスケッチブックに目がいった。
崇裕「……のぞむ、教えてくれようとしとったんやね」
開かれたそのページには、
真っ黒で塗りつぶされただけの絵が。
風景や物、形を丁寧に模写するのが好きな望が
見せた初めての″感情″の絵
ゆったりと望の髪の毛を撫で付けながら
のぞむ、って呼ぶと可愛い顔で俺を見る。
崇裕「のぞむ、明日はさ、兄ちゃんに学校で見つけたものや楽しかったこと、絵に描いて見せてや？
兄ちゃん望の絵、大好きやねんなぁ」
望「……にいちゃん、にこにこさん、なる？」
崇裕「うん、そりゃぁもう、
ニコニコすぎて目なくなるかもせえへん」
望「……ぇへ、かく、」
明日は明るい色で真っ白なページが埋まりますように。
……一緒に頑張ろう、のぞむ。
fin
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柚衣 - いつも更新楽しみにしてます！とても読みやすくて面白いです！ (2023年4月29日 8時) (
レス) id: 6a6eda54e2 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - うmさん» ぁ、そーですよね！笑ええ、嬉しいです( * ¨ * )なぜか『幸せのかたち』編集できなくなってしまったので暫くはこっちでお話書きますのでぜひこちらの作品も応援してくださると嬉しいです！ (2023年4月2日 15時) (レス) id: e2c0ca874d (このIDを非表示/違反報告)
うm - きりまるさん» 作者名が同じだったので、、でも、書き方でも分かりましたよ！行間の開け方とか、鍵カッコの付け方とか、句読点の打ち方とかで大体わかりました！ (2023年4月1日 22時) (レス) @page4 id: a5ac49a540 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - うmさん» コメントありがとうございます、、！わわ、鋭いお方、、！そうです、私『幸せのかたち』を書いてる者です！やっぱり書き方とかでわかっちゃうものなんですかね、、？笑 (2023年4月1日 21時) (レス) id: e2c0ca874d (このIDを非表示/違反報告)
うm - 人違いだったら申し訳ないのですが、、幸せのかたちの作者さんでしょうか、？ (2023年4月1日 20時) (レス) id: a5ac49a540 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりまる | 作成日時：2023年4月1日 10時
