Let's meet again at the time of twilight【誰ソ彼ホテル】 Ⅲ (ページ11)

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101話ページ11

『音子おそいよー！何してたの！？』

「すみません、お客様とお話してました」

「塚原、まだ料理できてないわ。少し待ってて」

「あの、金子様にポーチを部屋から持ってきてと頼まれました」

そっちを優先すべきだろう

私がそう考えていると、私のとなりで焼きそばを作る支配人が手を止めて音子を見た

「じゃあ塚原さんそっちを優先してくれる？305号室ね」

「了解。」

そう言って厨房を出ていく音子の背中が少し浮かれ
ているように見えたのは気の所為だろうか

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しばらくして遥斗くんが戻ってきた

『遥斗くんおかえり。』

「ただいま」

「戻ってきてくれたところ悪いんだけど、たったいま溜まってたオーダー全部できたところだからこれは混んでくれるかしら」

「わかった」

戻ってきた遥斗くんはすっとまた出ていこうとするが、ドアの前で足を止め言った

「あ、オーダー追加で、たこやき、フライドポテト、麻婆豆腐だって」

「！？、まだあるの！？·····わかったわ」

ルリちゃんが絶句している。

それもそうだろう、私も驚きと疲労感で潰れそうだ。

しかし弱音を吐く訳にもいかず、私は顔を上げる

『ってあれ？たこやきってどうやって作るんですか？』

「たしか物置にたこ焼き器があったはずよ？」

「そうだ、いままでなんだかんだ注文なかったから持ってこようと思って忘れてたんた·····」

『それなら私もってきます。』

支配人はフライドポテト、瑪瑙さんとルリちゃんは麻婆豆腐にとりかかる様子だし、遥斗くんも直ぐにはかえってこない。

というわけで動けるのは私だけだ。

「たのんでもいい？Aちゃん。」

『任せてください！』

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ルリちゃんから頼まれ、私は駆け足で物置に向かう

再び物置の扉を開けると埃っぽい匂いが鼻を掠める。

くしゃみを抑えながら私はガサゴソと軽く周辺を漁る。

と、家庭用ではあまり見ないようなすこし大きめのたこ焼き器をみつけた。

箱は軽く埃が積もっていた。洗ってから使った方が
いいだろう。

『ちょっと、おもいな·····』

腕力のあまりない私は腕をプルプルさせながら必死で厨房へともどった。