願いが叶うのならば Ⅳ (ページ36)

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> ファインダーごしに ( yt ym ) ＊ページ36

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裕翔「りょうちゃんりょうちゃん、

今日はこれから学校に行きます。お着替えして準備するよ」

リビングで朝からお気に入りだという真っ赤なミニカーを走らせて、小さく丸まっている次男に話しかける

涼介「……ぅう、、やぁの…」

裕翔「今日は月曜日だから学校の日だよ。

今日は学校でなにするかな？薮先生に会いに行こうね」

なんて少しだけ気を紛れようと話の矛先を変えると、自分の中で気持ちの整理がついたのかミニカーを走らせる手が止まった

涼介「…ん、、きがえ、する、、」

裕翔「よし、えらいえらい。」

涼介の目の前に分かりやすいように並べた制服たちを差し出すと、のそのそと着替えを始めた。

雄也「おはよー…」

裕翔「あ、雄也おはよう」

すると、高校3年生の長男、雄也が
眠そうな顔をしながらも髪のセットはばっちり完成させて登場

涼介「あ…！ゆうやん…！」

雄也「ん、りょうちゃんおはよう」

そんな雄也は

「んー！」と手をめいいっぱい広げてそんな雄也に抱きつこうとする涼介の身長に合わせて屈んで

雄也「りょうちゃん、おはよう、だよ？」

と教えると、涼介は嬉しそうにおはよう、ととびきりのスマイルが飛び出した。

高校生の長男と小学生の次男。

長男の雄也は現在高校3年生。
進路に悩む時期ではあるけれど、美容師の専門学校へ行こうかな、と話をしていた。

次男の涼介は小学4年生になるけど、
昔から難治性のてんかんを抱えていて、手術や投薬治療も進めてきたけど、あまり効果は見られず

発作の後遺症で軽度の知的障害が見つかっている

お話が苦手だったり、うまくいかないことがあると自分の中で整理がつけられなくて、泣き喚くこともしばしば。

俺は、高校卒業後からカメラマンとして働いていて

そんな仲良しな兄弟のシングルファーザーでもある。

裕翔「りょうちゃん、右手はこっちに入れるよー」

やっとの思いで涼介の着替えを終わらせ、
さっそく若干の疲労感を抱えつつ、ご飯を食べさせた。