願いが叶うのならば Ⅳ (ページ21)

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次に目を覚ました時、おれは病院のベッドにいた

正確には家を出たその日の記憶はほとんどなくなっていた

いつものように大ちゃんと学校から帰る途中、

おれは車に跳ね飛ばされたらしい

知らぬ間に俺の身体にはメスが入れられていて
気付いたときには1週間時間が進んでいて、

自分の脚にある違和感を誰にも伝えられないままあれよあれよという間に検査が進められた結果、腰椎1番と言われる脊髄損傷だと伝えられた

それは、おへそから下は一生動かないということらしい

つまり、俺は車椅子がなければ俺は歩くことさえできなくて、サッカーすらできないんだ

正直、言ってる意味がぜんぜん理解できなくて

ただただ親や大ちゃんの前で涙を流さないことだけを考えて、

強がってなんでもないフリをするのに精一杯だった

心の中では、こんなんになるなら死んじゃえばいいさえ思ったし、どうして俺なんだろう、この先の人生終わった、なんてぐるぐる悪い事しか考えられなくなって

食事すらまともに取れなくなっていた

入院して1ヶ月

今は学校も休んでリハビリをする毎日

あたりまえにできるはずのことが、あたりまえのようにできない自分

歩くことも、足を動かすこともできなければ

車椅子がなきゃ生きていけないのに、車椅子に自分で乗ることさえできなくて

そんな現実が、自分自身に、目の前で起こっていることが

不安で、怖くて、しんどくて、堪らなくなるんだ