願いが叶うのならば Ⅳ (ページ19)

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すこしして、身体はまだだるいだろうに、涼介は恐る恐る手を動かして

自分の顔についてる酸素マスクを外し始めた

涼介「……っ、、はぁっ、、ゆ、と…く、ん……」

裕翔「ん？」

涼介の口から出る小さな声は機械にかき消されてしまいそうで、顔を近づける

涼介「…っ、、はぁっはぁっ……っ、、んっ…」

光「涼介、苦しいからマスクつけよう？」

そうひかに言われても、涙をぽろぽろとこぼしながらふるふると首を振る涼介

涼介「はぁっ……っ、、はぁっはぁ…」

裕翔「りょうすけ、マスクつけよう？」

そう声をかけても涼介は涙をこぼし続けているから
さらに呼吸も苦しくなってきて、周りにある機械が異常を知らせていて

慌てて無理やり酸素マスクを口元に当てた

すると諦めたのか、目を閉じて呼吸に集中する涼介

そんな涼介を見守っているとまたポツり、と口を開いた

涼介「…っ、、ゆ、と…くん、、、」

裕翔「ん？」

涼介「…おた、んじょーび……おれ、、のせい…で…

ごめ、ん…な……さい…」

裕翔「んーん、気にしなくていいよ、そんなの」

涼介「……だめ、、だよ……

ゆ、とくん……おめ、で、とう……のひ…

ぷれ、ぜ、、ん…と……まだ、、」

すっかり自分の誕生日のことなんて忘れていて
涼介が無事でいてくれたら、それだけでいいと思っていたけれど、

必死に、おめでとう、のために
涙を流してくれる涼介の存在が純粋に嬉しくなった

裕翔「ありがとう

涼介が元気になったら、プレゼントまってるね

それでいい？」

そう優しく声をかけると、さすがに体力も限界だったのか、安心したように夢の中にまた引き込まれていった

たったひとりの弟、

そんな涼介の存在が、とっておきのプレゼントだよ。

いつもありがとう、これからもよろしくね。