願いが叶うのならば Ⅳ (ページ14)

今日:14 hit、昨日:12 hit、合計:80,943 hit

: ページ14

cn side

涼介の病気が酷くなって学校に通えなくなってから、
建築士として働くお兄ちゃんは職場を変えて、日中はなるべく家で仕事をしている。

だけど打ち合わせが入ってしまう日もあって
今日は日曜日だから、僕の学校もなくてふたりで留守番することになっていた。

侑李「りょーすけ、おひるごはん、食べよう～」

リビングの隣にある和室ですやすやと眠っている涼介に声をかける。
ここ最近は体力もなくて、お昼頃に起きることが多いから、ごはんは朝昼兼用

涼介「……っん、、おは、よ…」

何度か声をかけると、涼介の眠そうな目がぱちりとあいた。

侑李「おはようー、調子どう？」

涼介「…だいじょぶ」

侑李「よかった、車椅子のる？」

涼介「……ん」

元々あまりおしゃべりな方ではなかったけれど、病気になって自由が効かなくなってからは

さらにあまり話してくれなくなった。

それでも涼介と一緒に過ごせたら、僕はそれでいいんだ。

ベッドから起き上がりあまり力の入らない涼介を支えて車椅子に乗せて、ダイニングテーブルに着く

グリップの付いたスプーンを持たせるけど、手がぷるぷると震えてしまう涼介はごはんをこぼしてしまうことも多くて、エプロンをつけて食べる

侑李「どう？おいし？」

涼介「…うん、、ゆうり、つくったの？」

侑李「ううん、お兄ちゃん作っていってくれたんだよ」

涼介「、そっか」

涼介「…ゆうり、あのね、、、」

侑李「ん？」

涼介「おねがい、あるの…」

必死にごはんを口に運ぶ涼介が急につぶやいた