願いが叶うのならば Ⅳ (ページ13)

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侑李「ただいまー」

ソファで必死に耐える涼介のことを見守っていると
学校終わりの侑李が帰宅
　

侑李「あれ？涼介調子悪いの？」

慧「30分前くらいからこんな感じで…

ちょっと苦しそうで気になるね」

侑李「本当だ、汗すごい．」

いつ不随意運動が起こるかわからない涼介は
高校には入れなくて、通信教育を受けている

侑李はこの辺では有数の進学校に通っていて、
新体操部にも入部して、

ふたりでいる時間はあまり多くなくなったけど、
お互いのことがだいすきで今でもなかよしな双子

涼介「……っんぁ、、っぅう………」

侑李「りょーすけ、がんばれがんばれ」

涼介がこんなにも必死になっていても
俺たちはそばにいて見守ることしかできないのがもどかしい

ソファに横たわる手足はバタバタと不安定にびくん、びくんと、動きが止まらなくて
さらにそれが自分の顔や体にぶつかってしまうから痛みが伴うみたいで

手をやんわりと抑えて、撫でてあげても気休めにもならない

涼介「…っはぁ、、、っん…！、、っんぅ！、、、…っ、、」

終わりの見えないその動きは、
身体的にだけでなく精神的にも涼介を追い詰めて

しまいには涼介の黒目がちな目からは
ぽろぽろと涙が流れてしまっている

慧「りょーすけ、泣かないよー苦しくなっちゃうからね」

涼介「……っ、、っんぅ、、んぁああ……」

侑李が隣で涙を拭いてあげても
苦しそうに声を上げながら、涙をぽろぽろと流し続ける涼介は見ていられず

気づくと窓の外はすっかり暗く染まっていた