欲の吐き溜め 短､中編集

kyhr 御守リング ページ34

『え!?キヨ結婚したの!?』

『してねぇよ！』

『じゃあなんで指輪…?』

『ラーヒー､よく見ろ中指だ。指によって意味が違うらしい。中指は身を守る？らしいから、一応つけといただけ。』

『へぇ〜…』

『急に興味無くすじゃん』


なんて会話が懐かしいですねぇ
なんでこんなの思い出したんだろ。

あの時はキヨが結婚したのかと思ってビビったよ…
キヨの不幸を願う訳じゃないけどね??

…そういえば
「他の指ってどんな意味があるんだろ…」

「ん？ラーヒーなんか言った？」

「うわあ!?キヨいたの!?」

「居ちゃ悪いかよ」

「や、ごめんなんでもない…」

「?」

キヨがパソコンに目を戻したのを確認してからスマホに目を落とす。
ビビったぁ…いつの間に…

別に言ってもいいことだけどなんか恥ずかしくなって誤魔化した。
気を取り直して…

"指輪 意味"

検索すると色々なサイトが出てきたので1番上のものを押す。

へぇ、右と左でも意味違うんだ。
薬指はアニバーサリーリング…
左手の薬指には
・愛を深める
・絆を深める
・願い事を叶える
という意味があるらしい。

まぁ結婚指輪をはめる指なら妥当な意味だな

自然と目は恋愛の場所へ行ってしまう
これは多分キヨが好きだからだな、うん
自分で考えてて恥ずかしい。

しかしいきなり薬指につける勇気はない。
意味があからさますぎる。

いつの間にか自分がつけるために指の位置を調べていた｡

…左手があからさますぎるなら右手はどうだろうか｡

右手の薬指には
・心の安定
・恋を叶える
・創造性を刺激する
という意味があった。

…いいかもしれない

薬指だが右手だし意味を知ってる人なんてあまり居ないだろう｡
いたとしても恋と特定されることは少ない｡

これなら､
「ふーん?恋を叶える､ねぇ?」

「わぁｯ!?」

いつの間にか後ろにキヨがいてスマホを取られる始末。
しかも見られた…!?

「…ラーヒー、誰好きになったの｡」

「いや、恋じゃなくて…!」

「嘘｡ねぇ､誰？」

ーｯもう､言っちゃえ!

「き、キヨ！」

「…え？」

「俺が好きなのはキヨだよ!!」

「ほん、とに…?」

「何度も言わせないでよ!!///」

あー言っちゃったよぉ…
てかキヨなんか顔が赤い…?

「お、俺も…//」

「え!?」
「ほんとに…?」

「嘘言うかよ､ヒラ､好きだ。付き合ってくれ｡」

「…喜んで！//」


数年後、僕の左の薬指は綺麗な指輪が光っていた｡
この関係が何時までも続きますようにように…

「御守リング…なんてね♪」

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