オムライス (ページ5)

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ちらりとハスキーボイスさんを盗み見れば、彼もケチャップを見つめていた。大きな目がいつもより大きい気がするのは、気のせいか否か。

引かれた、よね。
同性から好かれるとか、
そりゃ世間の見方は変わってきたけど、
ハスキーボイスさんがどう思うかは、

「ねえ、」
「すみませ、」
「待っててもらってもいい？」
「、へ」

間抜けな声が自分のだとはしばらく気づかなかった。
待つ？え、何を？あ、食べるのを？

意味がわからずにいると、ハスキーボイスさんが急に椅子から立ち上がって、まっすぐ俺を見た。
「俺今ちょっとバダバタしてて、だから、その返事、待っててもらえませんか？」
普段より大きく感じていた目は、しっかりと俺が写っていた。

「ダメ、かな？」
「っ待ちます！いくらでも、全然俺、待つんで！あの、返事、考えていただけるだけでも、嬉しいんで！えと、」

俺、ハスキーボイスさんが、ずっと好きです

彼はその後、俺の愛が爆発したオムライスを、やっぱり美味しそうに食べて帰った。