オムライス (ページ20)

今日:1 hit、昨日:15 hit、合計:107,300 hit

19 ページ20

「ねえ、紫耀。俺、紫耀で満たされたい」
「っ、後悔すんなよ」

紫耀とした初めてのキス。

紫耀とした初めての夜。

全部激しくて、優しくて、満たされてて。

「おはよ」
「ん、おはよ海人」

シーツの中で紫耀の腕が俺の背中に回ってくる。
お互い服を着ていないまま寝たせいで、体温が、肌が触れ合って、

幸せだなぁ。

「あ、そういえばさ、テレビの取材？の依頼が来てて」

目がこぼれ落ちてしまうのではないかと思われるほど驚く紫耀に、俺は簡潔に説明する。

「前お店に来てくれた人で、芸能関係の人がいてさ。その人がぜひあのオムライスをテレビのバラエティ番組で紹介させて欲しいって」
「で、海人、なんて返事したの？」
「ぜひお願いしますって」

答えた途端、紫耀がええええええええー！？と、盛大にがっかりした様子で唇を尖らせた。

「なんでよ紫耀。いいじゃん、お店の宣伝になるんだよ？そしたら早めにお金貯まるしさぁ」
「そうじゃなくて！、、、テレビなんかでたら、海人の可愛さが全部テレビに流れちゃうじゃん」

な、なんだそれ！？俺今きゅんって、いや、ぎゅんってしたよ！？

「と、とか言ってさ、ホントは永瀬廉に会うのが気まずいからじゃないの？」
「いやいやいやいやいや、それはないって！アイツが出るの、今はほとんどドラマとか映画ばっかりだから。バラエティ番組には出ないもん」

だから、俺はホントに海人が心配なの！

「紫耀ってさ、意外に独占欲強いよね」
「何？独占欲強い俺はいや？」

なんだよ、その顔。唇尖らせて、眉間に皺寄せて、かわいいなぁ。

「ううん。だーいすき。だから、心配しなくていいよ。俺、紫耀しかみてないから」
「ホント！？俺も大好き」
「じゃあ、番組出るからね。それに、紫耀が一緒なら大丈夫でしょ、ね？」

俺自慢のひまわりスマイル。紫耀はこれに弱い。

わかった、と渋々だけど頷いた。