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9話 ページ10

ティナリ「君の気持ちはわかった。
  エルマのこともこれから気にかけておくよ」

『本当ですか?ありがとうございます。
  お姉ちゃんは記憶を失っている状態で色々言われるとパニックになって
  しまいます。なので記憶がない状態では彼女が書いたその日記を
  渡してあげてください』



















そう言うとティナリさんは快諾してくれた

少しだけ微笑みを浮かべてから、ティナリさんから最近手伝っているパトロールへ向かう

今日はアビディアの森の方へと向かうように言われた

コレイさんはあまり体が強くないようで、最近はあまり遠くへパトロールをしに行っていない

私はその代わりと言ってはなんだけど、遠くへ行くことを任されることが多い



















『よ……い……しょっと……!』



















スメールは全ての木々は今まで通ってきたモンドや璃月とは比べものにならないほど大きかった

地表面へ伸びている大きな根っこも人間を遥かに超える

それを何度も乗り越え、アビディアの森まで進むのは本当に大変だった

そして何も異常はないか、ティナリさんから頼まれた「死域」と呼ばれるエリアを探したり、誰か困っている人がいないかを確認する

するとどこからか叫び声が聞こえてきた



















?「おい、旅人!旅人———!」

『!?』



















その声は学者が瞑想をしている小さな洞窟の中から聞こえてきた

慌てて駆け寄れば、小さな子が金髪の少年の体を大きく揺すっている



















『どうしましたか!?』



















近くによれば、少し気持ち悪さを覚えるけれど、どこかすっきりしたよくわからない香りが漂ってきた

どうやらその小さな子はパイモンと言い、少年は空くんと言うらしい

なんでもパイモンによれば空くんは学者の近くにあるお香から漂う香りに不快感を覚え、慌てて離れようしたらいきなり倒れて意識を失ってしまったらしい

鼻元に手を当てると息が当たる

どうやら生きてはいるみたい……良かった



















『とりあえず彼を運びましょう。近くにいい場所を知っています。
  そこに行けば治療してくれる人もいますし、すぐに目を覚ますと思いますよ』



















この症状を見るに、あのお香による刺激かな

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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2023年12月1日 18時

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