世界の旅人【原神】 (ページ9)

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8話ページ9

もう一度お姉ちゃんを寝かしつけてから、ティナリさんを家の裏へと呼ぶ

ﾃｨﾅﾘ「それで、どういうことか、ちゃんと説明してくれる？」

『はい……でもその前に、これを読んでくれた方がわかると思います』

ティナリさんにお姉ちゃんの日記帳を渡す

ﾃｨﾅﾘ「これは……？」

『それはお姉ちゃんの日記です。こっそり取ってきました』

お姉ちゃんの日記は私も見たことがある

中の内容は友達と出会ったこと……そして呪いのことを知ってみんなのことを忘れたくないというものが大半だった

それを読み終わったティナリさんは難しい顔をしていた

ﾃｨﾅﾘ「………」

『わかってもらえましたか？
　お姉ちゃんは故郷の国で異端児として見られ、みんなから迫害されて
　きたんです。そして無実の罪をいくつも課せられて、故郷を追放されたん
　です。その時に、朝になると記憶を失う呪いをかけられてしまいました……
　でも今日は少しだけ進展がありました。どうやら、一日を一定の距離で
　過ごしている人のことは忘れないみたいです。実際私のことは忘れる
　いませんでしたし』

頑張って笑顔を作ろうとする

けれど無理だった

どうしても、この現実は私の胸に深く突き刺さる

お姉ちゃんが戻りたいという故郷を目指して……でも実際に戻ることができたらどうなるんだろう

元素が使えないお姉ちゃんを嫌って、犯罪者に仕立て上げて、追放した国に帰ったら、一体どんな言葉が返ってくるんだろう

それを想像するだけでも気が重くなる

ﾃｨﾅﾘ「つまり、君たちは追放された故郷に帰ろうとしてるってこと？
　言われてもらうけど、帰ったところで君たちの故郷が歓迎してくれるとは
　思えない……」

『私もわかってます。でも、それがお姉ちゃんの願いなら叶えてあげたいんです。
　願いと希望を持っていないと、毎日記憶のない一人ぼっちの世界で生きて
　いくには辛いと思うんです。なので私たちは故郷を目指します。それに
　私も、故郷を出る時に一度記憶を消されてしまいましたから……』

眉を下げながら笑えば、ティナリさんも何となく納得したような様子だった