世界の旅人【原神】 (ページ35)

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34話ページ35

ティナリさんの話では、最近死域の出現頻度がますます増えてきており、先ほどのように死域を除去しても、間も無く新たな死域が現れてしまう

死域は雨林のあらゆるところに影響を及ぼす

例を挙げるとするなら、先ほどこのエリアを正常に戻したけれど、だからと言ってエリア内の植物がみんな生き返るわけではないということだ

実際に植物の数は激減し、この変化は植物に関わる動物たちにも影響を与え、結果的に雨林の生態系が不安定になりつつある

ﾃｨﾅﾘ「それに……死域の状況が深刻になり始めたことで、コレイの魔鱗病も
　どんどんひどくなってきた」

ﾊﾟｲﾓﾝ「えっ、なんでそうなるんだよ？」

ティナリさんは深刻な表情で首を横に振った

ﾃｨﾅﾘ「具体的な原因はまだ突き止めてない。でも数日前、教令院の知り合いから
　手紙をもらったんだけど、彼によれば、多くの患者たちも同じような
　状況らしい」

空「死域を根絶する方法はないの？」

ﾃｨﾅﾘ「僕の知る限り、ないな。死域は数千年もの間、スメールに存在している。
　それに、死域はこの世界の深いところから生まれるんだ……」

『深いところ……？』

私もオウム返しで聞き返す

ﾃｨﾅﾘ「「世界樹」を知ってる？」

『世界……樹……？』

空「どこかで聞いたことあるような」

ﾃｨﾅﾘ「「世界樹」は僕たちが踏みしめているこの大地の奥深くにある。
　生物学的な意味の「樹」じゃないけどね。まあ、大きな樹が逆さに生えて
　いるとでも考えてもらえばいいかな。
　「地脈」は知ってるだろ。あれは「世界樹」の根みたいなもので、地下を
　縦横に走り、深くて広大な空洞から地表まで伸びてる」

『へえ……』

お姉ちゃんならこのことも知ってるのかな、なんて呑気なことを考えてしまう

空くんは何か引っかかるようで、顎に手を当てて考え込む

空「(広大な空洞を、縦横に走る……意識のない時に見たのと似てる)」

ﾃｨﾅﾘ「「地脈」はこの世界の記憶を吸収し続け、「世界樹」には古代から
　現代に至る、世界のあらゆる情報と知恵が詰まっている」