2話 ページ3
事実、バルバトスがこの赤子を育てることを宣言すると、彼らは難色を示したものの、反対はしなかった
それどころか、なにかと理由を付けては赤子である私たちのもとにやってくるようになった
戦争の神である炎神は日課である素振り一万回をこなすと、私たちのもとにやってきてこうささやいた
「小っちゃい手だな。まあ、いい、もう少し大きくなったら、剣を握らせ、
俺の弟子にしてやろう。すぐに剣圧で蝋燭を消せるようにしてやる」
草と知恵の女神マハールッカデヴァタは大地との語らいを終えると、私たちのもとにやってきて私たち二人をそっとを抱く
「なんと可愛らしい赤ちゃんたちでしょう。この子たちは世界一優しい子、
あなたたちに知恵のご加護があらんことを」
マハールッカデヴァタが私たちをゆりかごに戻すと、岩と契約の神モラクスがやってくる
強面な男性は詰まらなそうな顔をする
しかめ面で私たちを見つめると、一転、表情を崩し、間抜けな顔をする
その顔を見てきゃっきゃと笑う私たち
強面の彼の眉が下がる
「……存外、ユーモアの分かる赤子だ」
彼はそう呟くと決心する
「いいだとう。この小娘を俺の弟子にしよう」
その他にも、雷と永遠の神バアルは「あなたたちには私の永遠を授けましょう」と言って額を合わせ、人間の寿命は超越させた
そして水と正義の神エゲリアは「彼女たちに真偽を見極める瞳を与えよう」と言ってくれたけれど、氷の神は決して私たちを抱きあげることはなかった
こうして六人の神々に気に入られた私たち
私たちを拾ってくれた自由と風の神を含めると七人かな
彼ら彼女らが私たちの父親となり、母親となる
我が儘で自分勝手な人たちだが、彼らは厳しくも優しい師父となるはずだった
そして彼らが私たちに名前もくれるのだが、なにかにつけて喧嘩になる七人が珍しく命名に関しては一致した
争うことなく、一回の話し合いで私たちの名前を決めてくれたのだ
こうして私たちは命拾いをし、名前を得た
神々が僕に与えてくれた名前は——————….
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2023年12月1日 18時