世界の旅人【原神】 (ページ13)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:878 hit

12話ページ13

ﾃｨﾅﾘ「例えば、自我はちゃんと保っていたのかとか、
　何かを見たとか」

空「何かを見た……」

空くんは何か引っかかるようで、ティナリさんと同じ言葉を繰り返す

すると最初は言い止まっていたものの、話してほしいという目線を送っていれば、口を開き暗闇の中で見たものを話してくれた……

ﾃｨﾅﾘ「なるほど……エルマ、とりあえずパトロール日誌をここに持ってこないよう、
　他の人に伝えてきて」

エルマ「えっ？どうして？」

ﾃｨﾅﾘ「もうしばらく、彼には僕の部屋に泊まってもらう。僕はアミルのところで
　何とかするよ。
　ほら、早く行って来て」

エルマ「あっ、うん、わかった。行ってくる！」

お姉ちゃんはティナリに指示されて最初は驚いていたものの、急かされたので空くんとパイモンに心配そうな目線を送ってから慌てて駆けて行った

すると状況がよくわかっていないパイモンがティナリさんに尋ねた

ﾊﾟｲﾓﾝ「ちょっと待った、どういうことだ？」

ﾃｨﾅﾘ「ああ、説明するよ。薬草スープをもう一回飲んでもらえれば治ると
　思ってたんだけど、しばらくはガンダルヴァ村で療養してもらって
　経過観察をしたほうがいいと判断したんだ」

ﾊﾟｲﾓﾝ「「経過観察」？」

空「でも、スメールシティに行かないと……」

ﾃｨﾅﾘ「落ち着いて。君たちが状況を見極められる人たちなら、僕の説明を
　聞いてくれれば、事態の深刻さが分かるはずだよ。
　さっきの君たちの話によると、お香のせいで君たちは強烈な「幻覚」を
　見てしまったらしい。
　精神状態も良いとは言えない。それでも深刻と思えないなら、これを嗅いで
　みてよ」

ティナリさんがスッと出したものの香りは、あの洞窟で嗅いだものと大きく酷似していた

その匂いを嗅ぐと、空くんは額の手を当てて気分を悪くしたように眉間にシワを寄せた

空「うぅ———！」

ﾊﾟｲﾓﾝ「おい、大丈夫か？」

ﾃｨﾅﾘ「倒れた時の感覚と似てるだろ？」

すぐに行動することを諦めたように、空くんはスッとベッドの上に再び座った

するとティナリさんは安心したように微笑んだ