世界の旅人【原神】 (ページ11)

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10話ページ11

きっとあのお香は人の神経を刺激するものなのだろう

あれは嗅いだことのあるタイプのお香だった……

そして運ぼうとおんぶをして、ガンダルヴァ村まで運んでいると、パイモンが近くで「おい、こいつ死んじゃうのか！？」と泣き叫んでいた

どれだけ宥めてもダメだったから諦めた

そして村へ辿り着くとお姉ちゃんが剣の素振りをしていた

エルマ「343……344……345……！」

『お姉ちゃん、ただいまです』

エルマ「あれ、ヒルマ、おかえり。その人たちは……？」

『この人たちはアビディアの森でパトロールをしていたら見つけたんです。
　気を失っているみたいで……』

エルマ「大変じゃない！ヒルマは家に運んで、私はティナリ呼んでくるから！」

そう言って剣を投げ捨てて急いで村の中心の方へと走っていった

なので私もお言葉に甘えて空くんを中へ運び、ベッドへ寝かせる

空くんは変わらず寝息を立てているものの、目は一向に覚す気配がない

ティナリさんも後から合流し、空くんを診察すると、とりあえず命に別状はないということ

その間も死ぬかもしれないと騒いでいるパイモンに軽く説明をしてから、すぐに去って行き、その姿は少し怒っているように見えた

そしてその後も私はやることがないのと、運んできた責任を持つために目覚めるまで看病をすることにした

『パイモンも休んでください』

ﾊﾟｲﾓﾝ「いや、オイラも旅人が目覚めるまで待ってるぜ」

パイモンは腕を組んで動く気配はなかった

思ったより頑固なんだと知って可愛いと思った

そしてしばらく近くの棚を整理していると、空くんはゆっくりと起き上がった

『起きましたか？こんにちは』

ﾊﾟｲﾓﾝ「空！よかったぁ、やっと目を覚ましてくれたぜ。
　ここは……うぅ、その……おまえらが気を失ったんで、動転しすぎて、
　ここがどこなのか聞き忘れてたぜ」

よっぽど心配していたのか、ずっと気を張っていたらしく、一気に気が抜けたような笑みを浮かべるパイモンにクスッと笑ってから説明をする

『ここは「ガンダルヴァ村」。今はレンジャーが使っています。
　私はヒルマ、ここに滞在している旅人です。今日見回りをしたとき、
　気を失ったあなたたちを見つけてここに連れてきました」