紺碧の棺【黒羽 快斗】

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No side








美しい珊瑚が一面に広がる海の中には、色鮮やかな魚達が数多く泳いでいて、3人を歓迎するかのように取り囲んだ







蘭と園子が魚達とたわむれていると、喜美子が右方向を指差して、“ついてきて”と泳ぎ出した








喜美子の後をついてしばらく泳いでいくと崖の下に巨大な構造物が広がっていた








海底宮殿だ………海面から差し込む光に浮かび上がった宮殿の神秘的な美しさに、蘭と園子は思わず息をのみ、幾つもの細長い岩の柱に囲まれた宮殿は、直角に切り出された大きな岩がいくつも積み重なってピラミッドのような形をしていた








その周りをたくさんの魚達が自由に泳ぎ回っていた






宮殿の岩に下り立った喜美子は、深く切り込んだ南側を見て、胸の前で腕を交差させてバツを作って、これ以上は進んではいけないというサインだ








蘭と園子はOKサインを出した







すると突然、崖の下から魚達が逃げるように浮上してきたかと思うと巨大な鮫が飛び出してきて、浮上した鮫は蘭達に向かって突き進んできた







蘭園「!!」







蘭と園子は慌てて泳ぎ出して、すると、喜美子が2人の前に飛び出して宮殿の岩を指差した







3人は岩のくぼみにみを隠してジッと息をひそめて、鮫は3人を探るように目の前を旋回すると、やがて崖の下へ潜っていき、蘭と園子がホッと息をつき、喜美子が崖の下をのぞくと数匹の鮫が群がっているのが見えて、その中央に血を流したダイバーがいるのをみてがく然として、鮫がおそっていた







そのダイバーは、エアーコンプレッサを貸したトレジャー･ハンターで、残りの2人が水中スクーターを操って、必死で鮫を追い払おうとしていて、喜美子は親指を立てて“浮上する”のサインを出した







蘭と園子がOKサインを出し、3人で浮上し、トレジャー･ハンターの2人も鮫がひるんだ隙に負傷した仲間を抱え、水上スクーターで上昇した

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