【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ6)

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王様ゲーム 10 ページ6

「最悪……」

王様ゲームを終えて部屋に戻る途中、俺はボソッと呟いた。

誰にも聞こえていないと思いきや、隣にいた金田一には聞こえていたらしく、苦笑される。

最悪だ……本当に最悪だった。

最後に王様だった及川さんの下した命令は、女子部屋まで行ってバレないように戻ってくる、だった。

最後だからか、なかなかにエグい内容にしてきたなあと、その時は他人事のように思っていたのだ。

なんなら、指名されたのが音駒の主将と梟谷の主将だったから、そのままマネージャーに怒られてくればいいと思っていた。

2人が女子部屋まで行って戻ってきた時の表情から、ああやっぱり怒られてきたかと思ったら、後ろに若葉の姿が見えた。

いつものように朗らかな笑顔ではないことから、若葉が怒っていることも、何のためにここに来たのかもなんとなく察してしまった。

案の定、若葉は及川さんに怒って、それを宥める役として俺が選ばれた。

傍から眺めているだけなら、若葉が怒っているところを見るのは面白い。

でも、その怒りを鎮めなきゃならないのは、結構めんどくさい。

最終的に、俺の適当な宥め方で若葉の怒りは治まり、事なきを得た。

もう二度とやりたくないけど。

王様ゲームも若葉を怒らせるのも勘弁して欲しい。

次、王様ゲームに誘われても、俺は絶対にやらない。

意地でも部屋から出ないようにしよう。

そう思っていた矢先、肝試しとドッジボールという王様ゲームよりも圧倒的にめんどくさいイベントに参加するのは、また別の話。