【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ43)

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及川バースデー 2 ページ43

「そろそろ及川に気づかれてそうで怖いんだが」

「いや、それもうバレてそうだけどな」

落ち込んでいる岩泉に追い打ちをかけるように、松川がつっこむ。

むしろ、及川ならバレてもなお、ふざけてAに聞いている可能性があるくらいである。

3人の脳裏に、舌を出してピースをする及川の顔が浮かんだ。

相変わらず、腹立つ顔である。

「まあ、流石に何をするのかっていうのはバレてないから、大丈夫だとは思うけどさ」

「それも時間の問題だろ。Aは、傍に俺がいなかったら言いかねねえ……」

流石に幼馴染と言えど、完全なる制御は出来ないらしい。

それならもっと、花巻と松川に出来るわけがないのだが。

「んで、俺らにどうして欲しいわけ？」

「お前らから念を押してくれ。俺ならまだしも、先輩から言われれば、少しは言わないように意識するだろ」

Aは、根は真面目で良い奴だ。

仕事も今までのどのマネージャーよりも、ちゃんとやっている。

それに、本人も好きでバラそうとしているわけではないだろう。

花巻と松川が言って、Aがもっと言わないように意識出来るのなら、やらない手はない。

何より、このまま1週間何もしなかったら、岩泉の身がもたないだろう。

「まあいつも苦労している岩泉の頼みだし、俺は全然いいけどさ」

果たして、自分たちが念を押すことで、Aが気をつけるのか、花巻は自信なさげに首を傾げるのだった。