【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ5)

今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:6,243 hit

王様ゲーム 9 ページ5

ようやく音駒の主将の命令が終わった頃には、消灯時間まで残りわずかとなっていた。

もうこれで終わりで良くね？

時間もちょうどいいし、明日も早い。

小さく欠伸をしながら、やっぱりあの時意地でも岩泉さんについていくべきだったと後悔する。

王様ゲームにノリノリだったやつらも、いい加減眠くなってきた人も多く、終わりそうな気配だ。

「えー、最後にもう1回やろ」

誰かのその言葉に、俺は耳を疑いそうになった。

いい、いい、もういい。

俺はもう寝たい。

そう言いたいけど、1年の俺の言うことを聞いてくれるほどこの4校の先輩たちは甘くない。

お祭り騒ぎが大好きな先輩たちが率先してやっているなら、尚更だ。

日向が時間食ってくれたおかげで、王様ゲームをする回数が減ったから、先輩たちはあれを最後にしたくないんだろう。

もうそこまで想像出来てしまう……。

「じゃあ、ラスト1回な！」

「回せ回せー」

流石に主将までもが消灯時間を破るわけにはいかないのか、大急ぎで棒を全員に取らせる。

「王様だーれだ！」

全員一斉に自分の棒の番号を確認する。

俺は今回も王様ではなかった。

まあ、もういいんだけどさ。

あとは指名されなければ、命令が終わるまで携帯でもいじって時間を潰せばいいだけ。

そう思っていた。

「あ、俺だ！」

そう声をあげた及川さんが、あんな命令をしなければ……。