【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ39)

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勉強を教える 8 ページ39

その日は、Aが午前中だけ部活が入っていた。

そのため、勉強会は午後から行われることになったのだが。

「ごめんね、遅れちゃって」

「お！若葉さんだ！」

「よう」

待ち合わせに10分遅刻してきたAは、既に椅子に座って教科書を開いている2人のところへ合流する。

部活の片付けに、思いのほか手間取ってしまったのだ。

それに加え、Aの身体ではダッシュで休憩スペースまで向かうことは出来ない。

もどかしく思いながらも、なるべく早く歩いてAは休憩スペースへとやってきたのだ。

「お前、ゆっくり歩いて来いよ」

「だって、遅刻しちゃったんだもん」

「それより道端で倒れられた方が怖いっての」

若干息を切らしているAに、すぐさま影山が釘を刺す。

日向が事情をよく知らない今、Aの体調管理を任せられるのは、必然的に影山になるからだ。

ふぅ、と息をついたAが、2人の間の椅子に座る。

ようやく、勉強会がスタートだ。

「まず、どこが分からないのか教えて」

「若葉、これなんだけどさ……」

さっそく、影山がプリントをAに見せる。

それは、先日授業中に行われた小テストだった。

「……影山？」

「おう」

「これ、英単語だよね？」

そう、影山が見せたのは、日本語で書かれたワードを英単語で答える小テストだった。

Aの言いたいことを察したのか、影山は無言を貫く。

「これは暗記するしかないから、まず覚えないとかな……」

しかし、Aは容赦なくそう言い切ってしまった。