【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ37)

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勉強を教える 6 ページ37

「んで、勉強するとしてどこでするんだよ？」

「それなんだよ……。まだ決まってなくてさ」

国見の問いに困ったようにAは口を尖らせた。

影山と電話でも同じような話になった結果、週末まで保留という形になったのだ。

「誰かの家ってわけにもいかないしね……」

「若葉の家は、岩泉さんの家でもあるわけだし、好き勝手に出来ねえよな」

「そうなんだよね……」

金田一に言われ、Aは頷いた。

もちろん、岩泉や岩泉の両親に話をすれば、OKを貰えないわけではない。

しかし、日向と影山は他校の先輩の家にお邪魔することになるわけだ。

それを知ってしまえば、相当気まずいだろう。

特に日向は、Aの家庭事情をよく知らない。

影山だけならともかく、日向も一緒となるとあまり家に呼びたくはない。

かと言って、図書館では日向も影山もじっと勉強していられないだろう。

基本的に私語禁止であるため、教えるのも小声になってしまう。

特に日向は、図書館であることを忘れて思わず大声を出しそうで怖い。

それを考えると、余計に図書館で勉強することには抵抗があった。

「それなら、図書館の上の階にある休憩スペースは？」

「休憩スペース？」

はて、そんなものがあっただろうかと、Aは図書館のある建物を頭の中で地図を広げた。

しかし、まったく覚えておらず、思わず首を傾げてしまった。