【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ32)

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勉強を教える 1 ページ32

IH予選を終え、敗北の悔しさを胸にまた1歩踏み出そうとしている烏野排球部一行は、ある壁の前に立たされていた。

そう、期末テストである。

悲しいことに赤点常連の4人が全員レギュラーメンバーという、救済措置がない状態である。

赤点を取れば、補習で東京遠征には行けなくなってしまう。

そんな窮地に立たされた日向と影山は、どうにかして誰かに勉強を教えてもらおうと考えていた。

「誰かいないかなあー。やっぱ、勉強できるやつって言ったら月島かなあー」

「ぜってえ嫌だ」

日向の口から「月島」と出た瞬間、影山が顔をしかめる。

日向以上に、影山は月島と相性が悪い。

それはバレーのプレーにも影響するほどだ。

そんな犬猿の相手に頭を下げて勉強を教えてもらうなど、影山のプライドが許さなかった。

「……あ」

突然、何か思い出したのか日向が足を止めた。

影山は顰めた顔のまま、日向の方を振り返る。

「青城のマネージャーは？」

「青城……？ああ、若葉か」

「そう！なんか、勉強が出来そうな感じしたし！」

日向に言われ、影山はAの顔を思い浮かべた。

あいつ、そんなに勉強出来そうに見えたか……？と思ったのである。

鈍感でのほほんとしているところがあるが、勉強出来なさそうに見えるかと言われればそうでもない。

日向の目に、勉強出来そうに見えていてもおかしくはなかった。

Aは私立高校に通っているわけだし、自分たちよりは頭はいいだろうという結論に至ったのである。