【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:6,249 hit

王様ゲーム 8 ページ4

日向は、震えながらも逆立ちをした。

体力お化けだし、逆立ちは難なく出来そうだとは思っていた。

ただ、問題は九九の7の段が言えるかどうか。

高校生ともなれば、流石に九九は言えると思うけど。

だって、九九って小学2年生で習う内容だぞ？

俺ら高校生からしたら、当然のように言えなきゃダメなやつ。

でも、果たして影山と勉強はいい勝負であろう日向が言えるかどうか、確実性は低い。

いやだって、日向だし。

まあ、言えたら普通、言えなかったら日向だしで片付くだけなんだけどさ。

「し、7×1＝1、7×2＝14、7×3＝21……」

出だしは順調。

流石に高校生ともなれば、いくら日向でも言えるか(失礼)。

「7×4＝28、7×5＝35、7×6＝43……」

……ん？

待って、今なんて言った？

7×6＝43……？42じゃねえの？

「7×7＝50、7×8＝57、7×9＝64……言えた！」

いや、いやいやいや……言えてねえよ。

しかも、なんで6から全部7ずつ増えてんの？

逆にすごいんだけど、どうやって覚えたんだよ。

安心したような顔をした日向だが、周りはみんな哀れみの目を向けている。

音駒の主将は……顔がニッコニコだ。

この時点で、俺はもうここから先を想像出来てしまった。

「はーい、間違えたのでもう1回ね」

優しい笑顔で地獄に突き落とす音駒の主将に、日向の顔は絶望1色だった。

それから、日向が7の段がちゃんと言えるようになるまで、この命令は終わらなかった。